2019年9月上旬・午後17:40頃
稲穂が実る夕方の田んぼで、畦道に突き刺したプラスチックの支柱の天辺に鳥が止まっていました。
初めはモズかと思ったのですが、どうやら冬羽で渡りの途中のノビタキ(Saxicola torquata)のようです。
少なくとも2羽が互いに近くで行動していました。
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田んぼで羽繕いする冬羽のノビタキ♀♂(野鳥)
支柱の天辺から周囲の田んぼを油断なく見張り、ときどき素早く飛び降りては隣の支柱へ止まり直します。
羽ばたく際に翼に白い帯が目立ちます。
バッタやトンボなど田んぼに棲む昆虫をせっせと捕食しているのでしょう。
必死に飛んで逃げる虫を追いかけて、ノビタキは空中でフライングキャッチを試みています。
狩りの成否や捕食メニューは不明ですが、支柱の天辺に戻ると羽繕いをしました。
華麗なフライングキャッチの様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
次回はもっと明るい昼間の時間帯に捕虫シーンを撮影できればと思います。
驚いたことに、畦道に張り巡らせた細いテグス糸の上にノビタキが止まることもありました。
このテグスは(私の理解では)カラスやスズメなど稲穂を食い荒らす種子食性の鳥に対する防鳥効果を期待して田んぼに張り巡らされているはずなのに、ノビタキは全く嫌がる素振りはありませんでした。
ノビタキは昆虫食性なので、収穫前の米を食害する心配はありません。
むしろ害虫を食べてくれる益鳥になります。
また、この田んぼには畦道のあちこちに鳥よけの風車が設置されていて、秋風が吹くと目玉模様がクルクルと回っていました。
ノビタキは風車のすぐ近くでは捕食活動していなかったので、多少は目玉風車を忌避しているのでしょうか?
たまたま適当な止まり木(畦道の支柱)が風車の近くに無かっただけかもしれません。
▼関連記事
・田んぼの稲穂を鳥害から守る目玉風車
・田んぼの鳥害対策例:テグスを張り黒ビニールの旗を立てる(野鳥)
最後に私が更に近づいて撮ろうとしたら、警戒したノビタキは田んぼの奥に隣接するトウモロコシ畑に逃げ込みました。
雄花の穂先に並んで止まって私の様子を伺っています。
かなり薄暗い上にカメラのデジタルズームの限界まで強引に拡大したので、ラストシーンは画質がかなり粗いです。
山渓カラー名鑑『日本の野鳥』でノビタキの冬羽について調べると、
秋には黒い頭の♂は見られないが、これは繁殖期後に換羽があったためで、冬の間に羽の先の褐色の部分がすり切れると、繁殖期の黒い頭に変化する。(p438より引用)
▼関連記事(約2週間後の撮影)
畑で脱糞後に飛び立つ冬羽のノビタキ♀(野鳥)
ノビタキ冬羽(野鳥)@水田畦道:支柱天辺 |
ノビタキ冬羽(野鳥)@水田畦道:支柱天辺 |
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