2026/09/24

オオウバユリの花を食べるニホンカモシカ♂(両角欠け)【トレイルカメラ:暗視映像】

 

前回の記事:▶  


2026年8月上旬 

シーン1:8/4・午後12:48・晴れ・気温30℃(@0:00〜) 
落葉二次林にあるニホンアナグマ(Meles anakuma)の営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 
林床にオオウバユリの花が横向きに1つだけ咲いています。(画面左下の赤丸○) 
オオウバユリは夜に開花すると聞いたのですけど、明るい昼間から咲いていました。 
咲いたのは前日の夜なのかな? 


シーン2:8/5・午後19:07(@0:05〜)日の入り時刻は午後18:47。
オオウバユリの花の位置を覚えておいて下さい。(画面左下の赤丸○) 
画面の反対側(右端)からカモシカの横顔が見えました。
最近アナグマのセットに出没している(映像公開予定)、左右の角が両方欠けている♂個体です。

右下隅の下草が不自然に揺れているので、監視カメラの死角でカモシカが採食しているようです。 


シーン2:8/5・午後19:08(@0:18〜) 
ニホンカモシカはカメラの前を右から左にゆっくり歩いて横切ると、横向きに咲いていたオオウバユリの花をムシャムシャと食べました。
茎の根元に生えた葉は食べませんでした。


シーン3:8/24・午後13:01・くもり・気温30℃(@1:09〜) 
19日後の明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 

つづく→



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【考察】
想定外の面白い映像がたまたま撮れるのが、トレイルカメラの醍醐味です。
夜の森でニホンカモシカの採食メニューがこれほどはっきり分かる映像が撮れて、ラッキーでした。
急いで記事にして動画を公開することにしました。

オオウバユリの花は夜に開花するため、夜行性の訪花昆虫を誘引するために強い芳香があるのだそうです。
ニホンカモシカは、夜の林内に漂うオオウバユリの花の芳香を頼りに食べ歩いているのかもしれません。 
暗視映像を見ると、カモシカは暗闇で花に向かってまっすぐ歩いて来てそのまま食べました。

必ずしも嗅覚に頼らなくても、白くて大きなオオウバユリの花は暗い林内でうっすらと見えそうです。
トレイルカメラが照射する赤外線をカモシカのタペータム(輝板)が反射していたということは、カモシカは夜の暗い林内でもかすかな月明かりなどを頼りに物が見えているはずです。

山菜図鑑によると、オオウバユリの若葉がヒトの食用になるらしい。 
アイヌの人々は伝統的に、オオウバユリの球根を掘って鱗茎からデンプンを採って食べるのだそうです。


Perplexity AIに色々と訊いてみました。

Q1:オオウバユリの花には芳香があるか?
A1:オオウバユリ(Cardiocrinum glehnii)の花には芳香があります。複数の植物図鑑や観察記録で「芳香がある」「強い香りがある」と明記されており、特に夕方〜朝にかけて香りが強まることが報告されています。 jplants

芳香の特徴

  • 香りの質: 「上品な香り」「高貴な芳香」「優しい香り」と表現され、ヤマユリのような強烈な香りではなく、穏やかで繊細な芳香とされています。 qkamura.or
  • 香る時間帯: 一日中ではなく、夕方〜夜間、および朝に特に強く香るという観察が複数あります。これは受粉昆虫(マルハナバチなど)の活動時間帯と関連している可能性が指摘されています。 love-evergreen
  • 強さ: 近づかないと分からない程度の穏やかな香りで、園芸種のユリほど遠くまで漂う強烈さはないとされています。 siraneaoi.lekumo



Q2:オオウバユリの開花時刻は? 夜に咲くのか?

A2:オオウバユリの花は**夜に咲く(夜開性)**です。複数の情報源で「夕方に開く」「夜に咲く」と明記されており、芳香が夕方〜朝に強まるという観察とも一致します。

開花の時刻と挙動

  • 開花開始: 花は夕方に開き始め、夜間に開花状態になります。
  • 花の持続: 1個の花は数日(2〜5日程度)持続しますが、花序全体では下から順に開花が進みます。 love-evergreen
  • 受粉生態: 夜間に芳香が強まることから、**夜行性の昆虫(ガ類など)**による送粉が示唆されています。ただし、マルハナバチなどの昼行性昆虫も訪花することが観察されています。 mkbkc.hatenablog

補足:なぜ夜に咲くのか

夜開性と芳香の組み合わせは、多くのユリ科植物でみられる送粉戦略です。夜間に活動するガ類は視覚より嗅覚に頼るため、強い芳香と淡色(緑白色)の花が効果的に働きます。 mkbkc.hatenablog


Q3:8月上旬の二次林の林床に咲いたオオウバユリの花を、暗くなった晩に(19:10頃)ニホンカモシカが採食したシーンがトレイルカメラに写っていました。カモシカは花の芳香に誘引されたのだろうか? 暗い林内でも白くて大きなオオウバユリの花はうっすらと見えるのかもしれません。

A3:素晴らしい観察記録ですね。19:10頃の薄暮〜夜間にニホンカモシカがオオウバユリの花を採食したシーンは、カモシカの生態とオオウバユリの送粉・防御生態の両方から非常に興味深い事例です。

カモシカは花を好む

複数の研究で、ニホンカモシカは広葉草本の花を嗜好することが示されています。 tuat.ac

  • 東京農工大学の研究では、カモシカが「消化しやすく高栄養な広葉草本(葉・花)」を選択的に採食することが直接観察で確認されています。 tuat.ac
  • 飼育下のカモシカは夕方〜夜間に主に採食活動を行い、野生でも早朝と夕方に採餌のピークがあります。 animaldiversity
  • 花は栄養価が高く、柔らかく消化しやすいため、カモシカにとって魅力的な食物です。 tuat.ac

芳香への誘引はあり得るか

オオウバユリの花は夕方〜夜間に強く芳香を放ち、夜行性の送粉者(ガ類など)を誘引するように適応しています。

カモシカは嗅覚が発達しており、食物の選別には嗅覚も重要な手がかりとなります。 したがって、以下のシナリオが考えられます: love-evergreen

  1. 芳香が手がかり: 薄暗い林内で、オオウバユリの強い芳香がカモシカの注意を引いた可能性は十分にあります。
  2. 視覚的手がかり: ご指摘の通り、暗い林内でも緑白色の大きな花(10–17 cm)はうっすらと見え、カモシカの視覚(夜間視力)でも検出可能でしょう。
  3. 偶然の発見: カモシカが林床を移動中に、たまたま立ち寄って採食した可能性もあります。

生態的意義

この観察は、オオウバユリの花が夜行性哺乳類によっても利用されていることを示唆しており、以下の点が興味深いです:

  • オオウバユリの花は「夜開性+芳香」という送粉者誘引形質を持ちますが、同時に草食哺乳類への被食リスクにもなっている可能性があります。
  • カモシカのような大型草食動物による採食は、個体群動態(開花個体の減少)に影響を与える可能性があります。
  • 一方、カモシカが種子散布に寄与する可能性(果実を採食する場合)も考えられますが、オオウバユリの種子は風散布が主です。

結論

カモシカがオオウバユリの花を採食した要因として、芳香への誘引は十分にあり得ると考えられます。ただし、視覚的手がかりや偶然の発見も関与している可能性があり、これらを区別するには追加の観察(芳香の有無と採食頻度の相関、夜間視覚実験など)が必要でしょう。

この観察記録は、オオウバユリと草食哺乳類の相互作用を理解する上で貴重なデータです。ぜひ、季節を超えた継続的なモニタリングを続けられると、さらに興味深い知見が得られるかもしれません。


河川敷でハシブトガラスが集めて持ち去った謎の餌(野鳥)

 

2025年5月中旬・午後16:05頃・くもり 

河川敷の草地でハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)が採食中だったようで、嘴に謎の餌をいくつも咥えていました。 
カメラを向ける私を明らかに警戒していて、キョロキョロ見回しています。 

奥に飛び去り、左旋回して姿を消しました。 
川原に降り立ったのか、河畔林を飛び越えて対岸に渡ったのかもしれません。 
謎の餌をその場で食べずに持ち去ったので、巣で待つ雛へ給餌しに行ったのでしょう。 
Perplexity AIに相談すると、貯食した可能性もあると指摘を受けました。(確かに!)


【考察】
何度見直しても、ハシブトガラスが集めていた謎の餌の正体が分かりません。 
小さくて丸い黄土色の物体に黄緑色の長い柄が付いているようです。 
サクランボの種子と果柄を連想したのですが、それにしても変です。 
5月中旬の川べりに果実はないはずだと思うのですけど、草の実なのかな? 
AIに画像認識してもらうと、虫ではないかと言うのですけど、そんな虫の心当たりがありません。
私は「いやいや、これは絶対に植物質の餌だろう」と納得できません。 
しっかり現場検証するべきでした。
もし謎の採食メニューを見抜ける方がいらっしゃいましたら、教えてください。 

ハシブトガラスを横から見ると、喉袋も膨らんでいました。
喉袋に貯め切れなくなった餌を嘴に咥えたまま、飛び去ったのです。

2026/09/23

身繕いしてから飛び立つアカハネムシ♂

 

2025年5月上旬・午後12:40頃・晴れ 

平地のスギ植林地で林床に生えたオオウバユリの葉の縁に乗って 
アカハネムシ♂(Pseudopyrochroa vestiflua)が日光浴しながら念入りに身繕いしていました。

初めて撮る虫でしたが、Googleレンズの画像認識でアカハネムシと判明。 
アカハネムシは触角の形状に性的二型があり、この個体は櫛歯状の触角をもつので、♂と分かります。 
表面積の大きな櫛歯状の触角で♀が放つ微量な性フェロモンを嗅ぎ当てるのは、蛾の仲間と似ています(収斂進化)。

アカハネムシ♂は左前脚を口で舐め、左の前脚と中脚を擦り合わせていました。 
次は右側も同様に身繕い。 
自慢の触角は掃除しなかったのが意外です。 

赤い鞘翅は腹部全体を覆わず、腹端が少し露出しています。 
大顎よりも口髭がかなり長いです。 
幼虫は肉食性らしいのですが、成虫の口器はあまり発達しておらず、花蜜や花粉、樹液などを摂食するらしい。 

ようやく化粧を済ませたアカハネムシ♂は、翅をパカッと広げて飛び去りました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
腹背は黒色でした。 
広げた後翅も黒く、焦げ茶色の翅脈が密にありました。


【考察】
アカハネムシは体内に毒を持ち、赤と黒の目立つ体色が捕食者に対して警告色になっています。
外見が似ているベニホタル類と互いにミューラー型擬態の関係にあると考えられています。
ベーツ型擬態の話とは違って、「アカハネムシ(Pseudopyrochroa vestiflua)の擬態モデルはベニホタル(Lycostomus modestus)だろう」みたいな言い方はできません。
また、アカハネムシが持つ毒はベニボタルの毒とは成分が違うらしい。
ツチハンミョウの死骸からカンタリジンを摂取して溜め込むらしく、♂は♀への求愛給餌に使うとのこと。 
本当なら、ぜひ観察してみたいものです。

ChatGPTを相手に長々と問答を繰り返し、かなり勉強になりました。

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