2012/12/30

カタグロチビドロバチ♀の営巣(その4:獲物の搬入ハイスピード動画&HD動画)



2012年9月中旬

丸太の既存孔(4×3mm)に営巣するカタグロチビドロバチ♀(Stenodynerus chinensis)の定点観察

この日も巣穴にせっせと芋虫を搬入する瞬間を220 fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
何度も失敗をしつつも場数を踏むごとに上手く撮れるようになってきました♪
獲物を空輸(空中輸送)して帰巣する際、少し迷って隣の節穴に入ろうとする時があるのですが、画角の狭いマクロレンズでは撮れていません。
側面から接写できた回では、干からびたような貧弱な獲物を抱えていました。
(元々こういう種類の芋虫である可能性も無くはないですけど…。)
外出の際、定位飛行することもありました。
帰巣間隔が長くなってきている印象です。
搬入する芋虫の栄養状態が悪い(死にかけ?)ように見える点と考え合わせると、最近の日照りで辺りの植物が枯れ、狩場に獲物(蛾の幼虫)が少なくなってきているのでは?などと想像します。

同じ日に1回だけ通常のHD動画でも撮ってみました。
毒針による麻酔が浅いようで、芋虫が暴れています。





貯食に続く工程として、育房の隔壁や巣口を巣材で埋める様子を見届けたくて定点観察に通いました。


『狩蜂生態図鑑』p82によると、本種は既存坑を泥で仕切るらしい。
ところがこの日を最後に蜂の姿が見られなくなり、巣穴も開いたままでした。
理由は分かりませんが、営巣を中断したのか母蜂が死亡したようです。
おそらく後半は育房に一括給餌する獲物が不足しており、営巣完了する前に寿命が尽きたのではないかと思います。
営巣を完了したら丸太を採集して、彫刻刀などで削って中の様子を調べたり蜂の子を飼育してみよう、などと計画していのに当てが外れました。
来年も観察したいので(持続可能な定点観察)、今季は採集せず丸太の巣はそのまま残しておくことにしました。


シリーズ完。

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