2012年9月下旬
道端の胡桃の木からキキキッ♪と鳴き声がするので見上げるとニホンリス(Sciurus lis)がいました!
初めはカメラ操作を間違って、ハイスピード動画(220 fps)の設定で撮ってしまいました。
画質は落ちますが、リスが幹を登るスローモーションが撮れてなかなか良い感じ♪
慌てて高画質のHD動画モードに戻しました。
枝を素早く走り回るため、なかなかカメラでは追い切れません。
少なくとも2匹いるようです。
番(つがい)なのかな?
ときどき幹にしがみ付いて静止してくれます。
枝からクルミの果実を採取すると口に咥えてどこかへ持ち運んでいます。
一匹はクルミの木から右手のスギの木へ跳び移って姿を消しました。
巣にクルミを運んでいるのでしょうか。
巣の位置は見つけられませんでした。
それとも冬に備えてクルミの実を貯食するのかな?
時折クルミの実を採取し損うのか、実が落ちる音が森に響きます。
最後はキキキキッ♪と鋭い鳴き声を発しながらクルミの枝を走って左隣の杉の木に跳び移りました。
『日本動物大百科1:哺乳類I』p70によれば、ニホンリスは
樹上で危険を感じると、反対側の幹へまわり込、尾をたらして張り付く。
『リスのきた道―なぜ鎌倉にタイワンリスか? 』p163によると、
ニホンリスは、人に出会うと、クルリと木の幹のうら側へまわって、すがたを隠そうとする習性をもっています。
ニホンリスの鳴き声を声紋解析してみる
映像の最後で鳴いた1秒間の音声を切り出してスペクトログラムを描いてみました。
辺りが静かなため、前回より明瞭な声紋が得られました。
15kHz以上の高周波数域が不自然にカットされているのはカメラの録音の仕様です。
【追記】
『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』p112によると、ニホンリスは
来るべき冬のために木の実などを地面に埋めるという貯食行動をとる。貯食行動をするリスはクルミの木と種子散布の共生関係にあります。
『空中モグラあらわる:動物観察はおもしろい』p186によると
クルミにとって殻をじょうぶにするということは、「だれに食べられるか」を選べることになります。たくさんの動物の中から、相手としてリスを選べる。ほかにアカネズミもクルミの実に穴を開けて食べるのですが、今わかっているところは、日本の動物では、これらの二種しかクルミの硬い殻をやぶれないのです。
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