2022年9月上旬・午後12:00頃・くもり
里山の林道上に点々と生えたヌスビトハギがピンクの蝶形花を咲かせています。
植物名が分からずにずっと気になっていたのですが、花後に特徴的な節果ができていたことから、ヌスビトハギと思い出しました。
ヌスビトハギの節果は俗称「ひっつき虫」の一つで、通りすがりにヒトの衣服に張り付きます。
マメ科に特有の羽状複葉(三出複葉)の小葉に丸くくり抜かれた痕跡が集中的に残されていました。
これほどきれいな曲線でくり抜くのは幼虫(イモムシ類)の食痕ではなく、ハキリバチ科の仲間♀が巣材として葉片を集めた痕跡です。
ハキリバチの種類によって営巣場所は違いますが、地面に巣穴を掘ったり樹洞や枝の虫食い穴を再利用したりします。
♀はその穴に葉片を詰め込んで育房を区切る巣材とするのです。
ヌスビトハギ1個体(同じ株)の上から下まで多くの葉が卵型に切り抜かれていました。
緑の葉の切り口が茶色く変色しているのは、切り抜かれてから日数が経った古い痕跡です。
ハキリバチ♀が巣材集めに通って来るかと思い、その場でしばらく待機したのですが、残念ながら待ちぼうけに終わりました。
お気に入りのヌスビトハギから同一個体が繰り返し巣材集めしているのか、それとも複数個体♀が集団で採取しているのか、知りたいところです。
私の知る限り、ハキリバチ科に社会性の生活を営む種類はいないはずです。(単独性)
ところで、山中に営巣するハキリバチの蜜源・花粉源となる植物は何なのか、気になります。
山中で蜜枯れシーズンの真夏に咲く花は多くありません。
ヌスビトハギの花だけではとても足りないはずです。
この林道は人通りが少なく、ほぼ廃道状態です。
下草が生い茂る獣道となっています。
山道をさらに進むと、別の地点でも「ハキリバチ♀のしわざ」を見つけました。
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