2022年9月上旬・午後13:10頃・晴れ
里山の細い尾根道を縦走中に糞便臭がするので足元を見ると、タヌキの溜め糞場cに新鮮な糞が追加されていました。
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ここはタヌキの往来が少ないのか、糞が残されているのは珍しいです。
その獣糞に様々な種類のハエが多数群がっていました。 キンバエ類(クロバエ科:種名不詳)、ニクバエ科(種名不詳)などの常連客に混じって、オオマダラヒロクチバエ(Euprosopia grahami)が4匹も集まって糞を舐めていました。
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キンバエの種類を私は見分けられませんが、♀♂ともに居るのに、皆が獣糞の吸汁に夢中で求愛交尾しないのは不思議でした。
1匹だけ来ていたニクバエは遠慮しているのか、獣糞の横のオオバコの葉の上で待機しています。
タヌキの糞塊自体がときどきモコモコと大きく上下動するのは、糞虫類が地下で活動しているのでしょう。
右隣の固形糞はなぜかハエ類にあまり人気がなかったものの、1匹のアカバトガリオオズハネカクシ(旧名アカバハネカクシ;Platydracus brevicornis)が獣糞の下に潜り込んだり上を走り回ったりしています。(@0:18〜)
その後も私がハエ類の活動ばかりに気を取られて録画していると、画面の左下で大事件が勃発しました。(@0:42〜)
溜め糞場cで獲物を待ち伏せしていた肉食性のアカバトガリオオズハネカクシがいつの間にかオオマダラヒロクチバエを見事に仕留めていたのです。
狩りに成功した直後のアカバトガリオオズハネカクシは暴れる獲物の胸背を咥えていたのですが、ようやく隙を見て急所の首に大顎で噛み付きました。
そのまま獲物をあちこち引きずり回し、獣糞の下に運び込みました。
ただの偶然(行きあたりばったり)かもしれませんが、獲物をライバルに横取りされないように物陰に隠れたのかもしれません。
ところが再び獲物を運んで移動しました。
仰向けになったオオマダラヒロクチバエの腹端から細長い器官が伸びています。
これは♀の産卵管なのか、♂の交尾器なのか、どちらでしょう?(性別判定)
ハネカクシがハエの腹部に噛み付くと、焦げ茶色の液体が流出しました。
この色からして、ハエの血液ではないことは確かです。
吸汁したばかりのタヌキの糞汁だと思います。
餌食となったオオマダラヒロクチバエは虫の息で、脚だけを動かしていました。
アカバトガリオオズハネカクシが狩った獲物を巣に搬入したり、異性に求愛給餌を始めたりしたらとても面白いのですが、そのような行動は見ていません。
ハエは俊敏なはずなのに、油断して逃げ遅れたのでしょうか?
ハネカクシには何か特別な戦法があるのでしょうか?
今回も狩りの瞬間を撮り損ねてしまい、残念無念…。
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仲間が犠牲になっても、ハエの群れは溜め糞場で平然と吸汁を続けていました。
撮影中は気づかなかったのですが、地味な茶色のカメムシも溜め糞に来ていました。 (@1:36〜)
背側がしっかり撮れていないため、私には種類が見分けられません。
他には透明な翅の根元がオレンジ色っぽいハエも獣糞を舐めに来ていました。 (@1:36〜)
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私のフィールドでは溜め糞場の常連客なのですが、名前をご存知の方がいれば教えてください。
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