▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫とイラガ幼虫の小競り合い・威嚇
ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#10
2016年9月中旬
最後の脱皮から6日後、食べて育ったウスムラサキイラガ(Austrapoda hepatica)の終齢幼虫がミズナラの葉裏で主脈に沿って乗り、静止しています。
従来のような黒い固形の糞ではなく白っぽい液状の下痢便を排泄していました。
いよいよ繭を作り始める準備(前兆)でしょう。
泥水のような糞の雫にズームインしてみます。
ついでに、体表の黒い体毛が根元だけ太いことが分かります。
これはウスムラサキイラガ幼虫の特徴で、同属近縁種ムラサキイラガ(Austrapoda dentata)との識別点らしい。
そのまま動かない幼虫(営繭前の眠)を微速度撮影してみました。(@0:37〜)
10倍速の早回し映像で見ると、蠕動していることがよく分かります。
腹端の肛門がヒクヒクしています。
昆虫の心臓である背脈管が背中の中央に沿った表皮の下で激しく拍動しています。
透明な液体を大量に繰り返し排泄しました。
飼育中に私は食樹の葉に霧吹きしていなかったのに、幼虫がこれほど多量の水分を摂取していたことに驚かされます。
初めに見た泥状の糞(軟便)は、もしかするといつもの固形の糞を排便した後に透明の液体で濡れて溶けたのかもしれません。
幼虫が乗っている葉が斜めになっている(水平ではない)ために、下痢便が流れ落ちました。
最後に幼虫は徘徊を始め、隣の葉に移ると営繭場所を探索する長い旅に出かけました。
もう食欲はありません。
つづく→#11
この写真は自動色調補正済み。体表の剛毛は根元だけ太い。 |
0 件のコメント:
コメントを投稿