2014年10月上旬
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カーブミラーに激突したヤマドリ♂(野鳥)の断末魔
私の目の前で絶命したヤマドリ(Syrmaticus soemmerringii)の亡骸を持ち帰り、とりあえず重量を量ってみると1,020gでした。
精密な秤ではないので、凡その目安です。
新鮮な死骸が天から突然降ってきた(落鳥)時にどうするか、ナチュラリストとしての総合的な実力が試されますね。
- 生物分解の過程を定点観察する?
- 解剖して胃内容物を調べる?
- 剥製を作る? (細々とした道具を買い揃える必要がある。)
- 骨格標本を作る? (首の骨が折れているのでは?)
- 解体して肉を食べる?(ジビエ料理)
しかし構想が先走っても道具やノウハウが無かったり実力が伴わないのが実情です…。
大型の冷凍庫があれば解剖セットなどを買い揃えるまで待てるのですが、死骸が腐り始める前に決断しなければいけません。
死んだ翌日から死骸をひと気のない秘密の場所に隠し、屍肉食の昆虫(スカベンジャー)によって分解される様子を定点観察することに決めました。
開けた場所に置くと上空からカラスやトビなどに見つかりそうなので、クルミの樹の下を選びました。
ゴム手袋着用で検死の真似事をします。
ヤマドリの脚を掴んで持ち上げて全身を見せます。
次に死骸を地面に置き、翼を広げて見せます。
死後硬直していないようです。
尾羽が長いのは♂の特徴ですが、約40cmもありました(根元をどこから測れば良いか迷いました)。
足には蹴爪がありました。
私の鼻では未だ死臭を感じないのに、林床に死骸を置くと早速ミドリキンバエの仲間が群がり始めました。
ハエの性別が分からないのですが、歩き回りながら羽毛の表面を口吻で舐めています。
死骸を頑丈な檻に入れたり埋めたりしないと、タヌキなどの野生動物に食い荒らされたり丸ごと持ち去られたりしそうです。
理想を言えば赤外線監視カメラを仕掛けてみたいものです。
カメラトラップ(トレイルカメラ)が欲しい…。
死骸を持ち去られるリスクを考え、自分で頭骨の標本を作ることにしました。
「きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。死んでるんだぜ。それで…ってウソ(Pyrrhula pyrrhula)ちゃうわ!ヤマドリ(Syrmaticus soemmerringii)や!」と寒いノリツッコミをしながら現場で首を切り落とし、頭部だけ持ち帰りました。
つづく→頭骨標本作り
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