2024/07/21

エビガラスズメ(蛾)の幼虫を仰向けにすると…

 

2023年10月上旬・午前11:35頃・晴れ 

田舎の郊外では畑や家庭菜園で栽培されたニラが逸出・野生化し、道端で普通に生えています。 
そんな野良ニラの群落で茶色の見慣れないイモムシを見つけました。 
ニラの白い花の下で頭を上にして垂直な茎にしがみついていました。 
尾角があるのでスズメガ科の幼虫と分かります。 
黄土色と焦げ茶色の迷彩?模様がありますが、緑の草むらでは保護色にはなっておらず、目立っていました。 
Googleレンズ(画像検索)で調べると、エビガラスズメAgrius convolvuli)の幼虫だろうと判明しました。 

いつもお世話になっている「みんなで作る日本産蛾類図鑑」サイトにてエビガラスズメ幼虫の食草を調べてもヒルガオ科がメインで、ニラはリストに含まれていません。
食草: サツマイモ(薩摩芋),ヒルガオ(昼顔),アサガオ(朝顔),ヨルガオ(夜顔)などヒルガオ科の植物のほか,フジマメ(藤豆),アズキ(小豆)などのマメ科,ツルナ科などの植物も。
もしもニラを食べていたら意外な大発見なのですが、食事中ではなく、静止していました。

ただじっとしている虫を撮っても、動画ブログのネタになりません。
動画に撮りながらエビガラスズメの幼虫を手掴みで一時捕獲してみました。 
茎にしがみついた胸脚や腹脚を左手でそっと外しても、ほとんど抵抗しなかったのが意外でした。 
掌に載せると、体をC字状に曲げた姿勢のままで、暴れたりしません。 
擬死状態(死んだふり)なのでしょうか? 
腹面を見るために仰向けに裏返すと、まるでレスラーのようにカウントスリーの前にくるっと素早く寝返りを打って起き上がります。 
面白がって何度も繰り返してしまいました。 
これは何か反射運動なのでしょうか?
無重力状態では、この反射は消失するはずです。 
いつでも逃げられるように歩脚を接地しておきたいのかもしれませんが、この個体は逃げようとしませんでした。
脊椎動物と比べると昆虫は体内の構造が背腹軸に関して逆転しています。
つまり、昆虫は腹側に中枢神経系があり、背側に消化管や心臓(背脈管)があります。
致命的な弱点(急所)となる腹面を守るために、仰向けにしても素早く起き上がるのかもしれません。
それとも、威嚇用の尾角を常に見せつけたいのでしょうか?

これだけいじっても、脱糞したり消化液を吐き戻したり噛み付いたり(反撃)、逃げようと(逃避)したり、一切しませんでした。 
不活発ということは、脱皮するためにニラの茎にしがみついていたのかもしれません(眠状態?)。 
あるいは体内寄生されている可能性もありますが、飼育してみないことには分かりません。 

撮影後は道端のニラ群落に戻してやりました(キャッチ・アンド・リリース)。

関連記事(13年前の撮影)▶ エビガラスズメ♂(蛾)の飛翔準備運動 


昔(12年前)に夜の路上で見つけたエビガラスズメ終齢幼虫の写真をついでに載せておきます。 
同じく褐色型で、体長は91mmでした。 
2011年10月上旬

私はまだスズメガ科の幼虫を飼育したことがないので、いつか成虫まで育ててみたいものです。


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