2023年3月下旬・午後16:15頃〜17:15頃・晴れ
雪国で広大な田園地帯の残雪が溶け始めると、冬鳥のコハクチョウ(Cygnus columbianus bewickii)の大群が押し寄せて集団採食するようになりました。
一方、ハシボソガラス(Corvus corone)は留鳥です。
白鳥が飛来するまで、この雪田はカラスが支配する餌場でした。
ライバルや猛禽などの天敵が現れると、モビング(擬攻撃)して縄張りから追い払ってしまいます。
関連記事(同所で2日後の撮影)▶ ノスリとハシボソガラスの激しい空中戦(野鳥)早春のモビング行動
ハシボソガラスは餌場で新参のコハクチョウに対してどう振る舞うでしょうか?
白鳥に対してもモビングや嫌がらせをするのではないかと内心期待して、注目してみました。
基本的に2種の鳥は互いの存在を無視して、各々が自由気ままに採食しているように見えます。(餌場を平和に共有?)
2種間であからさまな縄張り争いや占有行動は見られませんでした。
雪解け田んぼでハシボソガラスがときどきガーガー♪と嗄れ声で鳴いています。
コハクチョウの近くで鳴きながら尾羽根をすばやく左右に開閉するのは、威嚇や緊張の現れなのかな?
最近急に現れたよそ者に困惑して、縄張りの餌場から追い出したいのではないかと勝手に想像してしまいます。
カラスが白鳥の背後から忍び寄ったときは、白鳥の尾羽根を引っ張ったりつついたりして嫌がらせをするかな?と期待したものの、カラスにそんな勇気は無いようです。
至近距離でカラスに背後を取られても、白鳥はカラスを全く恐れていません(相手にしてない)。
体格で勝るコハクチョウはハシボソガラスのことなど眼中に無いようで、雪解け田んぼでひたすら落ち穂拾いや羽繕いを続けています。
よく観察すると、ハシボソガラスはモビングするどころか体格の大きなコハクチョウに遠慮しているようです。
餌場でコハクチョウがハシボソガラスに向き直ったり近寄ったりすると、カラスは慌ててその場を離れて歩き去ります。
普段は厚かましいカラスが餌場で弱気になっている様子を見るのは珍しいです。
明らかに多勢に無勢なので、諦めているようです。
結局カラスは居心地が悪くなって飛び立ち、白鳥の数が少ない区画に移動しました。
もしかして、少数のコハクチョウが雪解け田んぼに飛来し始めた初期にはハシボソガラスの方が優勢で、白鳥を追い払ったりしていたのでしょうか?
餌場となる雪解け田んぼはあまりにも広大なので、とても縄張り防衛できないのかもしれません。
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