2021年7月下旬・午前4:55頃・晴れ(日の出時刻は午前4:34)
道端にそびえ立つクリ(栗)大木の根元付近に樹洞があり、そこに長年ニホンミツバチ(Apis cerana japonica)が自然営巣していました。
関連記事のまとめ(3年前の撮影)▶ クリの樹洞に営巣したニホンミツバチ:2018年1ヶ月前(6月下旬)に来たときにはクリの樹洞に出入りするミツバチの姿はなく、クロスズメバチの一種♀を見かけただけでした。
ニホンミツバチのコロニーは冬を越せずに滅びてしまったのでしょうか?(駆除された?)
早朝に通りかかった今回も、ニホンミツバチ♀は居ませんでした。
ところが驚いたことに、モンスズメバチ(Vespa crabro)のワーカー♀がスリット状(縦の裂け目)の樹洞に出入りしていました。
モンスズメバチ創設女王がニホンミツバチの古巣(空巣)を乗っ取って、クリ樹洞内で営巣を始めたようです。
あるいは、最近になってコロニーが引っ越してきた二次巣かもしれません。
クリの幹にモンスズメバチの♀が早朝から止まって辺りを油断なく警戒しています。
羽ばたいてはいないものの激しく腹式呼吸しているので、胸部の飛翔筋を激しく動かして飛び立つ前の準備運動をしているのかもしれません。
サーモグラフィカメラで撮れば体温の上昇が分かるはずです。
そのまま動画を撮り続けると、幹から飛び立ちました。
しばらく定位飛行してから再び営巣木の幹に着地。
幹のほぼ同じ場所に戻ると身繕いを始めました。
その日初めて外役に出かけるワーカー♀は、出巣の直後にしばらく営巣木の方を向いてホバリングしながら扇状に飛んで、巣の周囲の風景を正確に記憶するのです。
ところが、今回の個体は必ずしも営巣木の方を向いて扇状に飛ばなかったので、何か変だと思いました。
樹洞入り口の横の幹から再び飛び立つと、帰巣した別個体と空中で相打ちになり、また同じ場所に舞い戻りました。
どうやら巣口の横に居た♀個体は門衛を務めているのだと、これで分かりました。
怪しい蜂が巣に向かって飛来するとたちまち迎撃のために飛び立ち(スクランブル発進)、同じコロニーのメンバーかどうか誰何するのです。
モンスズメバチ門衛の過敏な防衛行動は、以前も観察しています。
関連記事(7年前の撮影@クヌギ樹洞)▶ 巣の近くで空中戦を繰り広げるモンスズメバチ♀【ハイスピード動画】
外役から戻ったワーカー♀(帰巣個体)の中には門衛のスクランブルをかいくぐり、入れ違いで無事に入巣することもあります。
後半になって帰巣したワーカー♀が赤茶色のパルプ玉を咥えて搬入しました。 (@3:14)
早朝から巣材を集めて来たようです。
巣口(スリットの右)に着地すると、しばらくウロウロしてから歩いて入巣しました。
門衛と帰巣ワーカー♀との攻防(軽い空中戦)を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 (@3:40〜)
今後も定点観察に通ってみることにします。
樹洞の内部をなんとか観察してみたいのですが、スズメバチ専用の防護服とファイバースコープ(スネークカメラ)が必要になりそうで、なかなか手が出ません。
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