2025/02/23

ホンドタヌキ2頭がアナグマの死骸を一緒に食べ、1頭が引きずって持ち去る【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

シーン1:3/27・午後20:19(@0:00〜) 
右後脚の不自由な個体がニホンアナグマMeles anakuma)の死骸から立ち去ったと思いきや、その1分半後に別個体のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が右からやって来ました。 
 右後脚を引きずって歩くタヌキ個体が画面の手前(立木の下)で居座って毛繕いしています。 
その奥には健常個体が来ています。 
獲物を先に見つけた跛行個体が獲物を横でガードしている(占有行動)ようで、健常個体はその周囲をうろついているだけです。 
この2頭がどういう関係なのか、個体識別ができていないので私には分かりません。 
顔見知りや♀♂つがいの関係かもしれません。 
跛行個体が獲物をシェアするためにパートナーを呼びに行ったのか?と思ったりもしたのですが、健常個体は初め遠慮しています。 


シーン2:3/27・午後20:20(@1:00〜)
右後脚を麻痺したタヌキ個体が、アナグマの死骸を再び食べ始めました。 
体の向きを変えてくれたおかげで、食事中の口元を正面から見れようになりました。 
死骸の尻や腰の辺りを重点的に食べ進めています。 

しばらくすると健常個体のタヌキが戻ってきて、未練がましく周囲をうろつき始めました。(@1:45〜) 
食事中の跛行個体は、健常個体をちらっと見ただけでした。 
左から回り込んできた健常個体がアナグマ死骸の頭部の匂いを嗅いでいます。 
相手の下半身が不自由なことを悟った健常個体が、獲物を巡る喧嘩になってもすぐに逃げられるように、獲物の反対側から回り込んできたのかもしれません。
食事中の跛行個体は意外に寛容で、自分の食事を続けています。 


シーン3:3/27・午後20:21(@2:00〜)
 同じアナグマ死骸の前後から2頭のタヌキが同時に食べ始めました。 
跛行個体は死骸の毛皮も引きちぎって食べています。 
ようやく健常個体も死骸の下半身に移動して、2頭のタヌキは仲良く並んで食べ始めました。 


シーン4:3/27・午後20:23(@3:00〜)
跛行個体は満腹になったようで、食事を止めて毛繕いを始めました。(@3:28〜) 
しかし、その動きもどこかぎこちなく、素人目には神経症状(麻痺?)が出ている気がしてなりません。 

その横で(画面上では下で)、健常個体が死骸を貪り食っています。 


シーン5:3/27・午後20:24(@4:00〜)
跛行個体は死骸の傍らに座ったまま、毛繕いしています。 

健常個体はいつの間にか死骸の右に移動していて、死骸をがっちり咥えたまま、ぐいぐいと力強く左へひきずり始めました。(@4:25〜) 
死骸の肉片を引きちぎるためというよりも、監視カメラを嫌がって死角(立ち木の陰)に隠れかったのかもしれません。 
獲物を相手に奪われまいと2頭のタヌキが綱引きのように引っ張り合うことはありませんでした。


シーン6:3/27・午後20:25(@5:00〜) 
食事をしながら健常個体がアナグマの死骸を更に右へ引っ張りました。(@5:14〜) 
少し引きずった後で、死骸が林床の落枝に引っかかって動かせなくなりました。 
立木に隠れていた健常個体の口元が横から見えるようになりました。 
タヌキは肉片を引きちぎる際に、前脚で押さえつけることをしないで、顎の力だけに頼るようです。 


シーン7:3/27・午後20:26(@6:00〜) 
健常個体はアナグマの死骸をさらに右へ引きずって行きます。(@6:03〜) 
跛行個体が毛繕いの合間に軽く欠伸をしました。(@6:44〜) 


シーン8:3/27・午後20:28(@7:00〜) 
食事を続ける健常個体がアナグマの死骸を強力な顎で咥えて少しずつ右へ右へと引きずって行きます。 
跛行個体から獲物をシェアさせてもらったのに、さり気なく奪い取ってしまおうという魂胆なのかもしれません。 


シーン9:3/27・午後20:29(@8:00〜) 
ようやく跛行個体が体の向きを変え、下半身を痛々しく引きずりながら、立ち木の陰に移動しました。(@8:04〜) 
やはり監視カメラの存在に気づいていて、その死角に隠れたかったようです。 
2頭間の鳴き交わしは一度も聞き取れませんでした。 


シーン10:3/27・午後20:35(@9:00〜) 
遂に、監視カメラの画角からニホンアナグマの死骸が無くなりました。 
健常個体のタヌキが、死骸を引きずって画角の右外に運び去ってしまったようです。 
獲物を独り占めにする魂胆なのでしょうか? 

立ち木の陰に取り残された跛行個体は、えづいているようです。 
食後に強力な胃酸がこみ上げているのかな? 
直前までアナグマの死骸があった位置の林床の匂いを頻りに嗅いでいます。 
死骸を追いかけたくても、悲しいかな足が悪いので追いつけません。 


シーン11:3/27・午後20:35(@10:00〜) 
跛行タヌキが立ち木の陰からようやく移動を始め、そして誰も居なくなりました。 


シーン12:3/27・午後20:35(@10:32〜) 
約15分後に健常個体のタヌキが戻ってきました。 
別個体(3頭目)の可能性もありえます。 
アナグマの死骸が初めに横たわっていた場所の匂いを嗅いでから、右上隅に座り込んで毛繕いを始めました。 


シーン13:3/27・午後21:46(@11:32〜) 
林床に座って休んでいた健常個体が立ち上がると、右へ立ち去りました。 
監視カメラの電池が連続録画で消耗してしまい、これ以降は短い暗視動画しか撮れなくなりました。 


シーン14:3/27・午後23:11(@11:40〜) 
約1時間半後に健常タヌキが左から現れ、林床に残るアナグマの死臭を嗅いでから画面の下へ向かいました。 


シーン15:3/27・午後23:21(@11:53〜) 
健常タヌキが上から来て、アナグマ死骸の残り香を嗅いでいます。 


シーン16:3/28・午前2:00(@12:06〜) 
日付が変わった深夜、健常タヌキが左から来て、立ち木の陰で食べ残しの肉片(骨)を見つけて拾い食いしました。 
尻尾の黒班が濃くて独特な個体です。 


【考察】 
おそらく♀♂ペアと思われるホンドタヌキがニホンアナグマの死骸をシェアして食べるシーンは見応えがありました。
可愛いタヌキのイメージしか無い人にとっては、刺激が強すぎるかもしれません。
しかし、後半になると、健常個体が死骸を独り占めして運び去ってしまいました。
アナグマが冬眠していた営巣地(セット)をタヌキが乗っ取ったようですが、異臭を放つ不潔な死骸を巣穴から遠ざける意図もあるのでしょうか? 
タヌキの健常個体が計何頭登場したのか、私には見分けられません。
特に後半は複数のタヌキ(健常個体)が入れ代わり立ち代わりやって来たような気がしています。

もしかすると、巣穴で同居していたアナグマが越冬中に死んだので、「同じ穴の狢」であるタヌキが巣外に引きずり出したのかもしれません。
その可能性を念頭に置いて、過去の監視映像を見直す必要がありそうです。(映像公開予定)

アナグマの死骸がスカベンジャーに食べ尽くされるまでの過程をトレイルカメラで見届けられず、残念でした。 
死骸が途中で持ち去られてしまうのは想定内でした。 
それを防ぐ(少しでも遅らせる)ために、次回は予め動物の死骸を立木に固定しておく必要がありそうです。 
予め死骸の周囲に大量の落枝を障害物として並べておけば、スカベンジャーが死骸をひきずって運べないようにできたかもしれません。 


今回は死んだアナグマの亡骸をタヌキが食べましたが、逆にアナグマがスカベンジャーとして死骸を食べる事例もあるそうです。 
たまたま『イギリス花粉学者の科学捜査ファイル:自然が明かす犯罪の真相』という本を読んでいて、初めて知りました。 
イギリスの墓地で遺体を食い荒らす犯人の正体がトレイルカメラによってヨーロッパアナグマと分かったことがあるそうです。 
日本では土葬の習慣が無くなって久しいですから、そのような事例を私は聞いたことがありませんでした。
そこでPerplexity AIに質問してみたら、以下の回答を得ました。(出典のリンクは割愛)
## 実在事件におけるアナグマの関与 
2024年8月に英国スコットランド・ボーダーズ地方のジェドバラ修道院墓地で発生した遺骨散乱事件では、アナグマの関与が強く疑われた[3]。地元自治体が設置した野生動物監視カメラの映像分析により、複数のアナグマが夜間に墓荒らしを行う様子が捉えられた[3]。法人類学者チームの鑑定では、19世紀に埋葬された遺体の脛骨に残る咬痕が、アナグマの歯列と一致することが判明している[3]。 この事件を受け、ヒストリック・エンバイロメント・スコットランド(HES)は文化財保護の観点から、野生動物対策ガイドラインの改訂を余儀なくされた[3]。具体的には、歴史的墓地の保全区域にステンレス製の地下バリアを設置する工法が開発され、アナグマの掘削行動を物理的に阻止する試みが進められている[3]。生態学者の介入により、アナグマの生息域拡大が加速した背景には、気候変動に伴う餌資源の変化が指摘されている[3]。

 

# 推理作品と実例におけるアナグマの死体食害に関する研究報告 
近年の推理小説や刑事ドラマでは、法医学的知見が物語の核心を成すケースが増加している。特に死後経過時間の推定に微生物学的分析や法医昆虫学を活用する描写が目立つ中、野生動物による死体損傷がプロットに組み込まれる事例も散見される。本報告では、アナグマ(Meles meles)を主要なスカベンジャーとして扱ったフィクション作品と実在事件を分析し、法科学と野生動物生態学の接点を探る。 
## 英国テレビドラマ『Badger』における野生動物犯罪の描写 
1999年から2000年にBBC Oneで放送された警察プロシージャルドラマ『Badger』は、野生生物犯罪捜査官トム・マッケイブを主人公とする異色のシリーズである[2]。ノーサンバーランド州を舞台に、密猟や動物虐待事件を扱う本作のエピソード「When Boyd, a local fisherman...」では、ファーン諸島で発見された漁師の変死体を巡り、アザラシの生態と人間の利害関係が交錯する[2]。劇中では海底地形が死体の損傷状態に与える影響が捜査の鍵となるが、野生動物保護官の立場からマッケイブが「動物の行動パターンが犯罪現場を改変するリスク」を指摘する場面が特徴的である[2]。 特に注目すべきは、第2シリーズのエピソードで描写されるアナグマをめぐる法廷闘争である。架空の事件ながら、アナグマの巣穴近くで発見された遺体の損傷部位から、死因の特定が困難になるプロセスが詳細に再現されている[2]。制作にあたっては実際の警察野生生物連絡官ポール・ヘンリーが監修を担当し、アナグマの摂食行動が残す咬痕の特徴について、法医学的観点から考証が行われたことが確認されている[2]。 
## ミッドサマー殺人事件シリーズの象徴的舞台 
キャロライン・グラハム原作『バッジャーズ・ドリフトの殺人』(1987年)は、ITVの人気ドラマ『Midsomer Murders』の原型となった作品である[5]。田園地帯の静かな村で起きた連続殺人事件を描く中で、現場近くの森に生息するアナグマの群れが重要な伏線として機能する。作中では、被害者の一人がアナグマの巣穴近くで発見されるシーンがあり、死体の損傷状態から自然死と他殺の鑑別が課題となる[5]。 特に注目すべきは、法医昆虫学者がアナグマの糞中から人間の組織片を検出する描写である。この科学的根拠に基づき、捜査官バーナビーが犯行時刻の特定に成功するプロセスは、当時の推理小説における先駆的な法科学描写として評価できる[5]。原作出版から30年を経て2022年に行われた特別復刻版の解説によれば、グラハムはオックスフォード大学の野生動物研究所と連携し、アナグマの摂食パターンに関する実証データを収集したことが明らかになっている[5]。 

つづく→下半身の麻痺が進むホンドタヌキがいざり歩き、死んだアナグマの骨をかじる【トレイルカメラ:暗視映像】


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