2023年5月上旬
シーン1:午後18:45頃・日の入り時刻は18:40
日没直後のニホンアナグマ♀(Meles anakuma)営巣地(セット)に意外な珍客が訪れました。
ホンドテン(Martes melampus melampus)です。
この時期テンは夏毛に生え変わっているはずですけど、この映像では残念ながらホンドテンの毛色が分かりません。
画面の奥から登場したテンが手前の巣穴Rに興味を示し、覗き込んだり匂いを嗅いだりしています。
後脚で立ち上がったのは、辺りを警戒するためでしょうか。(@0:54〜)
逡巡した末、ホンドテンが遂にニホンアナグマ♀の巣穴Rにするりと潜り込みました!!
アナグマの赤ちゃんを捕食しに来たのでしょうか?
残念ながら、ここで録画が打ち切られていました。
奥にある別の巣穴Lからアナグマ親子が慌てて避難するかと予想したのですが、それも不明です。
別アングルのトレイルカメラ(新機種)では、テンの不法侵入シーンがなぜか撮れていませんでした。
いつもなら日没前後の時間帯には、アナグマが巣穴の外に出て寛いでいます。
この日はたまたま(寝坊して?)巣内に籠もっていたようです。
アナグマ♀あるいはヘルパー♂が巣内からテンを撃退したはずですけど、肝心の防衛シーンが撮れていません。
巣内から威嚇の鳴き声なども聞こえませんでした。
アナグマの居住区はよほど地中深くにあるのでしょうか?
1分後にカメラが再び起動すると、テンは巣穴Rから外に出ていて(赤丸に注目)、奥の二次林を右に走り去る姿が写っていました。
まさかテンの狩りが成功して、アナグマの赤ちゃんを咥えて持ち去ったのでしょうか?
テンが巣穴Rから出てくる瞬間を撮り損ねたのがつくづく残念です。
ニホンアナグマにとってホンドテンは恐るべき天敵のはずなのに、激しく撃退・追撃しないのは不思議です。
捕食者が巣穴に侵入してもアナグマは反撃せずに籠城するだけだとすれば、まさに将棋の穴熊戦法みたいですね。
巣内にはアナグマの赤ちゃんが居るはずですが、母親♀とヘルパー♂(若い息子)が同居していれば、防衛力は充分なのでしょう。
テンが立ち去った後も、アナグマは巣口Rに顔を出して見送ったり警戒したりしませんでした。
以前キツネが訪問したときとは違います。
関連記事(約20日前の撮影)▶ 立ち去るホンドギツネの後ろ姿を巣口からこっそり見送るニホンアナグマ♀【トレイルカメラ】
結局テンは狩りを諦めて立ち去ったと私は考えています。
もしもアナグマ赤ちゃんの捕食に成功していれば、味をしめたテンはこの後も繰り返しアナグマ♀の営巣地を襲ったはずです。
しかし、次にテンが現れたのは3週間後です。(映像公開予定)
今回もしテンに巣穴を襲撃されて被害に遭ったのなら、アナグマの母親♀は残りの赤ちゃんを連れて別の巣穴へ急いで引っ越したはずです。
それをしなかったということは、やはり今回ホンドテンは巣穴に侵入しかけただけで、狩りは失敗したと考えられます。
シーン2:午後19:33(@1:41〜)
テンが来てから約50分後、すっかり暗くなった晩にようやくアナグマが巣穴の外に出ていました。
手前の巣口Rを調べて、テンの残り香を嗅いでいます。
次は奥にある巣口Lの近くに行き、テンが歩いた地面の匂いを嗅ぎ回っています。
カメラの方に振り返ると、左右の目の大きさが異なる♀(右目<左目)であることが分かります。
異状なしと判断した♀が入巣Rしかけたところで、録画が尻切れトンボで打ち切られました。
カメラのバッテリーが消耗しているのです。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
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