前回の記事:▶ 巣材を集め始めたニホンアナグマ♀【トレイルカメラ】
2023年4月下旬・午前0:49〜1:02・気温2℃
ニホンアナグマ♀(Meles anakuma) の営巣地を監視するトレイルカメラが深夜に起動しても、アナグマの姿は見えません。
しかし、死角から小声で動物が鳴く声が繰り返し聞こえます。
ワンワンワン♪とかウッ♪というイヌのような鳴き声を素早く繰り返しています。
それに混じってときどき聞こえる低音の奇妙な音は、アナグマ♂が♀を宥める求愛声(ジェジェジェビーム♪)かもしれません。
なんとも言葉では表しにくいのですが、痰が絡んだ低音の超ハスキーボイスのように私には聞こえます。
それにしても、トレイルカメラ自身が規則正しく発するザッザッザッ…♪という電子ノイズが耳障りで困ります。
メーカーには改善してもらいたいものです。
※ 鳴き声が聞き取れるように動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
手前の巣穴Rの中で生まれたアナグマの赤ちゃん達が元気に鳴いているのか?と初めは思いました。
それとも巣内で♀とヘルパー(若い息子♂)がじゃれ合って遊んでいるのかな?
(ヘルパー♂と母親♀が近親交配するおそれはないのか? という疑問が湧きます。)
カメラの近くで何者かが断続的に鳴き続けるものの、最後まで姿は見えません。
そもそも、なぜトレイルカメラが繰り返し起動したのか不明です。
ひときわ大声で鳴いた直後に、画面の下端からアナグマ♀が登場しました。(@4:25〜)
巣穴の方を向いて身震いし、ちらっと振り返ってくれたので、アナグマと確定できました。
どうやら、手前の死角で♀♂カップルが交尾していたようです。
謎の鳴き声は交尾中に2頭が発したものなのでしょう。
交尾の終盤に♀が♂から離れたがって抗議する鳴き声と、それを宥めて交尾を続けようとする♂の求愛声だったと想像しています。
♀が♂を振り払って巣穴に帰ろうとする度にカメラのセンサーが反応し、背後から抱きつく♂は必死に引き戻していたのでしょう。
♀が手前の巣穴Rに入ると、謎の鳴き声はしなくなり、辺りは静寂に包まれました。
このことからも、幼獣の鳴き声という可能性は否定されました。
(赤ちゃんが巣穴から母親を呼ぶ声だとすれば説明できてしまう?)
夜這いに来て♀と交尾後に別れた♂は最後まで動画に登場しませんでしたが、カメラとは反対側に帰って行ったのでしょう。
福田幸広『アナグマはクマではありません』によると、
交尾は2日間ほと続き、はじめは10分程度ですが、クライマックスの頃には2時間以上もの間交尾をし続けます。♂は交尾の最中もずっとジェジェジェビームを発し続けています。♀は時折「キュッ、キュッ」と声を発する程度です。 (p50より引用 )
今回の動画の鳴き声も、キュキュキュ♪と表現できなくもありません。
アナグマ♀の営巣地にトレイルカメラを2台設置しているのですが、それでも死角で交尾することが多く、肝心の交尾行動を撮り損ねてしまいます。
来年の繁殖期にはもっと監視カメラの台数を増やす必要がありそうです。
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