2018年10月中旬・午後15:44〜15:55・天気:小雨が降った後の曇り空
郊外の住宅地で猛禽類が甲高く鳴き続ける声が聞こえました。
鳴き声の主を探してみると、田んぼ(稲刈り後の刈田)に隣接した電線に小型の猛禽類が止まっています。
チョウゲンボウ(Falco tinnunculus)です。
ところが私が物陰からそっと望遠レンズを向けると、警戒したチョウゲンボウ♂は鳴き止んでしまいました。
獲物を狙っているのであれば電線から農地を見下ろしていそうなものですが、逆側の住宅地(および家庭菜園)の方を向いているのが不思議です。
横を向いたり正面を向いたり、キョロキョロ見渡していました。
電線に止まったチョウゲンボウが頭を上下に動かす謎の行動を繰り返しているのは、どういう意味があるのでしょう?
まるでご機嫌な音楽を聴いてそのリズムに乗っているような動きです。
宮崎学『鷲鷹ひとり旅―孤高の猛禽を追って』という名著を読むと、謎が解けました。
岩場のわずかなつきだしにちょこんととまって、頭を上下にぴくんぴくんと動かすしぐさになんともいえない愛嬌があった。しかし、これはチョウゲンボウ独特の警戒ないしは、相手を少し疑っているときのポーズである。 (p58より引用)
やがて羽繕いを始めました。(@1:30)
小さ目の嘴で背中の羽毛を整えています。
ようやく頭を上下しながらキッキッキッキッ♪と甲高く鳴きました。(@1:45)
残念ながらすぐに鳴き止んでしまいました。
試しにこの鳴き声を声紋解析してみたものの、鳥までやや遠くて録音された音量が小さいためか(S/N比が悪い)、お見せできるほどきれいなスペクトログラムを得られませんでした。
『色と大きさでわかる野鳥観察図鑑』でチョウゲンボウの鳴き声を調べると、
キッキッキッ(繁殖期。非繁殖期はほとんど鳴かない。)(p51より引用)と書いてありました。
繁殖期はもう終わっていますから、
縄張り宣言なのか、それとも若鳥が親鳥に餌乞いしているのですかね?
ちなみに、遠くから救急車のサイレン♪が聞こえても、電線で休むチョウゲンボウは無反応でした。(編集でカット)
※ 動画編集時に自動色調補正を施し、音声を正規化して音量を上げています。
再び鳴いてくれるのを待ちながらチョウゲンボウが飛び立つまで記録するつもりで手持ちカメラによる長撮りを続けました。
しかし10分間で私の腕の筋肉が限界を迎えました。
急いでカメラに一脚を取り付けることにします。
つづく→電線から脱糞後に飛び立つチョウゲンボウ♂(野鳥)
チョウゲンボウ♂(野鳥)@電線 |
チョウゲンボウ♂(野鳥)@電線+羽繕い |
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