2022年7月中旬・午後15:45頃・晴れ
山麓の農村部の道端に咲いたマルバハッカ(別名アップルミント)の群落で、夏型のベニシジミ♂(Lycaena phlaeas daimio)が訪花していました。
この組み合わせは初見です。
腹部が細く、前翅の翅頂が尖っているので、♂のようです。
翅を半開きのまま吸蜜しています。
訪花中に後翅を左右交互にゆっくり動かしています。
ベニシジミは尾状突起を持ちませんが、よく見ると痕跡のような短い尾状突起があります。
ベニシジミでは尾状突起が退化したのか、それとも自己擬態するシジミチョウ類の前適応の段階にあるのでしょうか?
日本産ベニシジミ科全種の分子系統樹が解明されていれば、それを元に議論(推測)できるのですが、 なぜか未だ無いようです。
左前翅が引っかき傷で深く切れているものの、飛翔に支障は無いようです。
花から花へ飛んで移動するだけでなく、隣接する花穂には渡り歩いて吸蜜を続けます。
アップルミントの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:43〜)
たまたま近くで獲物を待ち伏せしていたハエトリグモとの関係が面白かったです。
ハエトリグモにはピントが合わず、種名まで分かりません。
マルバハッカの花蜜を吸っているベニシジミ♂の背後でハエトリグモが蔓植物(ボタンヅル?)の葉に乗っていました。
ベニシジミの方をしっかり凝視しています。
ベニシジミ♂が飛び立った直後、奥で見ていたハエトリグモがビクッと動きました。
跳びついて捕食するには距離が遠過ぎるのでしょう。(ハエトリグモの射程範囲外)
再度ベニシジミが飛び去った際にもハエトリグモは目で追いました。(@2:00〜)
(ハエトリグモは眼球だけ動かすことができないので、体ごと向き直ります。)
実はベニシジミが居た花穂には別個体の小さなハエトリグモも潜んでいました。
歩脚が黄色いので、ウスリーハエトリ(Heliophanus ussuricus)かもしれません。
ベニシジミが2回目に飛び去った直後(@2:00〜)、ウスリーハエトリ?はアップルミントの花穂から隣の葉先へ跳び移り、更に葉裏からしおり糸を引いて懸垂下降しました。
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