2020年8月上旬・午後12:15頃・くもり
前回の記事:▶ オオウバユリの花に集まり獲物を待ち伏せる3匹のニホンアマガエル暗いスギ林の林床に咲いたオオウバユリの花の根元にくすんだ緑灰色のニホンアマガエル(Hyla japonica)が香箱座りしていました。
訪花する虫などの獲物を待ち伏せしているのでしょう。
喉をひくひくと動かしていますが、すぐ横を流れる用水路の水音で鳴き声は聞き取れません。
アマガエルの跳躍シーンを240-fpsのハイスピード動画で記録しようと何気なく撮り始めたら(@0:30〜)、意外にも大苦戦しました。
私が指で何度もアマガエルの体に触れても尻を押しても、オオウバユリの花筒上を少し前進しただけで、なかなか跳び下りてくれません。
「押すなよ、押すなよ、絶対に押すなよ」
なんと、差し出した私の右手に跳び移ってよじ登り始めました。
オオウバユリの花は揺れて足場が不安定だから跳ばないのかと思いきや、安定した私の手に移動してもしがみついたままです。
幾らつついても、なかなか跳び下りてくれません。
改めてカエルをオオウバユリの花筒に戻してやっても、どうしても真下には跳び下りたくないようです。
またもや私の指に登ってしがみつきました。
撮影に集中していた私は、カエルがジャンプを躊躇ったり嫌がったりする理由が初めさっぱり分かりませんでした。
ニホンアマガエルはこの高さまで自力で登ったので、高さ自体を怖がるはずがありません。(高所恐怖症ではない)
どうやらすぐ下に流れる用水路に落ちることを怖がり、飛び降りるのを躊躇していのだと後で気づきました。
水の流れが激しいので、カエルでも溺れそうと判断したのでしょうか。
用水路の方ではなく逆向きに(安全な林床の方へ)跳ぶようしむけたら、アマガエルは躊躇せずにジャンプしたはずです。
あるいは、下が速い流水ではなく池のような止水だったら問題なく跳んでくれたことでしょう。
ハイスピード動画の撮影には十分な光量が必要ですから、暗い林床の中で少しでも明るい溢れ日を求めた結果、たまたまこの撮影アングルになっただけなのです。
木登りや泳ぎが得意なアマガエルにも跳び降りたくない「恐怖心」があることがよく分かりました。
事情が分かってから映像を見直すと、用水路の流水を見下ろしているカエルは絶体絶命のピンチですね。
最後は覚悟を決めて決死の大跳躍を決行しました。
尻込みしていたニホンアマガエルがようやく跳んでくれたことに満足して私は動画撮影を終了してしまい、無事に用水路をギリギリ飛び越えたカエルの姿が動画に写っていません。
【追記】
もう一つ別の可能性としては、せっかくオオウバユリの高い茎を苦労してよじ登ったのに獲物を待ち伏せする絶好のポイントを離れたくなかったのかもしれません。
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