2020年12月下旬・午後16:43〜17:07・(日の入り時刻は午後16:27)
前回の記事:▶ 雪が降った日にダイサギがいつもの冬塒に集まらなくなった謎(冬の野鳥)前回から11日後、再び定点観察にやって来ました。
西の空が夕焼けに染まりました。 北東の空の低い位置に満月(月齢14.4)が見えました。
12月の月は「コールドムーン」と呼ばれるのだそうです。
前回の反省として、塒から少し離れていても私が手持ちカメラを振り回すと、どうやらダイサギには猟銃で狙っているように見えて警戒させてしまうようです。
今回は三脚を立ててカメラを塒 に向けて固定しました。
三脚の上からカメラごと冬迷彩のウィンドブレーカーを被せて少しでも偽装しました。
除雪車が作った雪の山を背にしてカメラを設置したので、ダイサギの目からは見えにくくなったはずです。
この現場ではどうしても本格的なブラインドを張れないので苦肉の策です。
逆光のアングルになっても塒入りする白鷺のシルエットさえ撮れれば良いと割り切りました。
おかげで今回は白鷺にほとんど警戒されずに塒入りの自然な行動を動画に記録することができました。
動画の長撮りで監視すると、今回もダイサギは日が暮れて暗くなってから1羽ずつ塒に帰投しました。(@0:06, 3:00, 7:13, 10:06, 15:42, 24:04)
最後の個体が飛来したのに私は暗くて気づかず、撮影を打ち切ってしまいました。
飛んでくる方向もまちまちでした。
この個体群は就塒前集合も形成しませんし、日中は各自が単独行動した後で夜になると集団塒に集まって来るのです。
以前よりも集団塒に集まる個体数がめっきり少なくなっています。(今季は最大で13羽でした)
ヒマラヤスギの枝に一旦着陸した後も、別の枝に再び飛んで移動することもあります。(@6:41, 8:39, 9:15)
仲間の近くに集まる方が安心なのでしょう。
塒入りが上手い個体(経験豊かな年長の個体?)は一発でお気に入りの枝に着陸しています。
ヒマラヤスギの樹上に落ち着いた個体にズームインすると、欠伸をしてから羽繕いを始めました。(@9:25)
今回は塒の上空で旋回したり、ためらって偵察飛行したりしませんでした。
塒入りに慣れたのかもしれませんが、やはり以前は撮影する私の存在を警戒していたような気がしてきました。(申し訳ない!)
画面に見えている常緑の針葉樹林の樹種は左から右へ、ヒマラヤスギ→ヒマラヤスギ→モミ→モミ→ヒノキ→ヒマラヤスギ→ヒノキです。
同じ常緑高木でもヒマラヤスギの隣に並んで聳え立っているモミやヒノキには塒入りしないのがいつも不思議です。
塒入りした白鷺と雪景色の組み合わせをどうしても撮りたくて、年が明けてからも不定期で観察に通いました。
ところが、この日を最後にダイサギをこの冬塒で全く見かけなくなりました。
去年も冬の途中で塒に来なくなったのですが、サギの群れが1か所に集まるのを嫌った何者かによって集団塒から追い払われたのではないかと当時の私は被害妄想のように懸念していました。
あるいは私の撮影行為がダイサギを警戒させて集団塒に近寄らなくなったのではないか?と自責したりもしました。
しかし今年も同じ現象が繰り返された(塒に集まる個体数が次第に減り、居なくなった)ので、私も考えが変わってきました。
まず、ダイサギを塒から追い払うヒトは居ないようです。
そもそも樹上に毎晩集まるダイサギの群れに興味(あるいは敵意)を持っているヒトは私の他に居なさそうで一安心。
それほど大群ではないので、塒となった林が枯死するほどの糞害をもたらしていはいません。
カラスやムクドリの集団塒が住宅地の近くで形成されるとやかましい鳴き声が問題になりますが、ダイサギは塒で過密にならなければ鳴くことはありません。
黒いカラスとは違って純白の白鷺に悪感情を抱くヒトは少ないでしょう。
次に気づいたのは、ダイサギの暮らしには安全な塒だけなく昼間に採食する餌場の方が重要だという当たり前のことです。
昼間の餌場で厳冬期に獲物が取れなくなったり食べ尽くしたりすると、ダイサギは餌を求めて少しずつ暖地に移動(南下)していくのではないかと予想しています。
積雪量が多かったこの冬は特に、獲物が乏しくなったと思われます。
したがって、当地のダイサギは冬の間ずっと同じ集団塒で夜を過ごすのではなく、自発的に(臨機応変に)塒の位置を変更するのでしょう。
つまり、この塒から通勤できる範囲でダイサギの群れを養えるだけの餌資源が枯渇した結果、居なくなったのだろうと推察しています。
ダイサギにGPSを装着できたら行方を長期間追跡できて面白いのになーと夢想します。
↑【おまけの動画】
同じ素材で10倍速に加工した早回し映像をブログ限定で公開します。
お急ぎの方はこちらをご覧ください。
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