2014/03/22

チャバネフユエダシャク♀の産卵【冬尺蛾】



2013年11月下旬・気温12℃

里山の尾根道の道標(標高〜630m)に登山客の忘れた木綿の白い手拭いが巻かれていて、そこに冬尺蛾♀が産卵していました。
チャバネフユエダシャク♀(Erannis golda)は初見です。
地上からの高さは〜140cmで、東面に産卵していました。
周囲の環境は雑木林の潅木。

野外で冬尺蛾の産卵行動を観察したのはこれが初めて。
ちなみに前年にはシロオビフユシャク♀の産卵を飼育下で観察しています。

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シロオビフユシャク♀?(冬尺蛾)の産卵【15倍速映像】

白地に黒い斑模様のチャバネフユエダシャク♀はほぼ無翅で、よく見ると極めて短い翅がありました。
徘徊しながら腹端から橙色の産卵管を伸ばして白布を探っているものの、産卵行動そのものは撮れませんでした。

落ち着いて白布を調べると、白布の皺や襞の奥に卵塊が一列に産み付けられていました。
卵塊は剥き出しの状態で、植毛やカモフラージュ(偽装隠蔽工作)などは全く施されていません。
シロオビフユシャク♀とは異なり、チャバネフユエダシャク♀の腹端には毛束が無いので、卵塊が毛で被覆されていないのは当然ですね。

卵の色は黄色で、一部は緑色でした。
この色の違いはどういうことでしょうか。

  • 別種の冬尺蛾♀が産んだ卵か?
  • 受精卵/未受精卵の違い?
  • 産卵後の時間経過で変色する?
飼育下で産卵を観察すれば分かるはずです。
ところがこの♀を採集して持ち帰っても、卵を産んでくれませんでした。
既に体内の卵を全て産み尽くしたのかもしれません。

白布ごと卵塊を採集すれば良かったかもしれませんが、とても越冬卵から成虫まで世話して育てる自信が無くて諦めました。

前日の天気は一日中雨。
この日は晴れたが、翌日からまた天気が崩れる予報。





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