2023年3月中旬
中州横の川辺に残されたタヌキの溜め糞場wnを監視する自動撮影カメラに、イエネコ(Felis silvestris catus)が一晩になんと2頭も写っていました。
シーン1:3/14・午前1:08・(@0:00〜)
早春の川岸は残雪が溶けてどんどん薄くなり、地面がパッチ状に露出しています。
深夜にネコが右から登場しました。(赤丸に注目)
なんとなく三毛猫のように見えますが、モノクロの暗視映像では体色が分かりません。
倒木を跨ぎ、奥の川辺へ慎重に忍び寄ろうとしています。
どうやら川の左岸に塒入りしたカモ類(カルガモやマガモなど)を狩ろうとしているようです。
これまで夜も川の方からときどきカモが鳴き騒ぐ声がするので、それを聞きつけてネコがやって来たのでしょう。
しかし、ネコが川面を覗き込んでも、寝ているカモ類は居なかったようです。 (逃げられた?)
三毛猫?が振り返ると、両目のタペータムが爛々と光っています。
赤外線カメラに頼らなくても、暗闇でもよく見えるネコの目が羨ましいです。
凍結した残雪の上を歩いて戻り始めました。
雪面の匂いを嗅ぎながら、ゆっくりカメラの方に近づいて来ます。
左右の肩(首の後ろ)に黒点が目立ちます。
タヌキの溜め糞場wnの匂いに気づいたようで、頻りに嗅ぎ回っています。(@1:14〜)
最後は左に(川下へ)立ち去りました。
雪深い厳冬期にはイエネコはこの河畔林に現れませんでした。
春はネコの発情期ですから、おそらく♀を探し求めて♂が出歩くようになったと考えたくなります。
しかし三毛猫の♂は極稀なので、空腹の三毛猫♀が狩りモードで探餌徘徊していたのでしょう。
河畔林の林床には獲物となる野ネズミも出没しているはずです。
シーン2:3/14・午前5:00・(@1:40〜)
3時間50分後の未明に、左から別個体のネコbが現れました。
体の斑紋から明らかに先程の三毛猫とは異なる個体と分かります。
タヌキの溜め糞場wnを迂回しながら右へ歩いて行きます。
6分30秒後に、奥の川辺りを右から戻って来ました。(赤丸@1:56〜)
忍び足で水際に近寄ると、少し背伸びして下の川面を覗き込みました。
川面や中州の様子を窺っています。
左岸に集まって寝ているカモ類の集団塒を襲う気満々です。
夜行性のイエネコが野外で狩りをする瞬間がトレイルカメラで撮れたら最高です。
しかし、獲物の近くまで首尾よく忍び寄ったところで、冷たい雪解け水の川に飛び込んでカモを狩る気が本当にあるのでしょうか?
野生のイリオモテヤマネコやツシマヤマネコとは異なり、日本の飼い猫は水を嫌いますから、まさか本気でカモを狩るつもりはないでしょう。
家から抜け出した飼い猫がただ好奇心に駆られて水鳥に忍び寄り、狩猟本能を満足させるのかな?
このとき画面の左で、カモと思しき水鳥が暗い川面をスーッと下流に流されて行く様子がかすかに写っていました。(@2:02〜)
カルガモは警戒心がおそろしく強いので、忍び寄るネコの気配を感じて静かに離れて行ったのでしょう。
逃げる際にけたたましい警戒声を発しなかったのが意外でした。
あるいは暗闇で忍び寄る猫にカモが全く気づいてなかった可能性もあり、夜も寝ないで川面を気ままに遊泳している個体がいるのかもしれません。
カモ類の集団塒にトレイルカメラを設置して夜の様子を撮影するのも面白そうです。
夜は安全な中州に集結して寝るのかな?
※ ネコが遠い川岸に行ったシーンだけ動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。
シーン3:3/14・午前6:14・(@2:50〜)
夜が明けて明るくなりました。
この日の日の出時刻は午前5:50です。
早朝の川ではカルガモ(Anas zonorhyncha)の群れが遊泳しています。
右に(川上に向かって)少し遡上した個体が、朝の水浴びを始めました。(@3:04〜)
川面をスーッと横に移動して中州の方へ行く個体もいます。
足の水かきで遡上しながら水流に対して体を少し斜めに向けるだけで、水流の力を利用して対岸へ楽に渡ることができるのです。(ベクトルの合成)
カヌーの経験者にはお馴染みの基本スキルです。
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