2023年3月上旬・午後12:35頃・晴れ
岸に雪が残る早春の川の上空を単独で飛ぶトビ(Milvus migrans)の様子がおかしいので気になりました。
周囲の木々が邪魔で撮りにくいのですが、翼の下面の斑紋からトビと同定できました。
晴れた青空と白い雲を背景に、羽ばたかずに翼を広げてグライダーのように滑翔しています。
上下に大きく波打つような飛び方をするトビを今まで見たことがありませんでした。
風切り音でトビの鳴き声は聞き取れませんが、鳴かずに黙って飛んでいたようです。
キョッキョッ♪と鳴くキツツキ(おそらくアカゲラ)の声が近くの河畔林から聞こえてきます。
この波状飛翔の意味を知りたいのですが、トビの生態に特化した本や写真集は出版されていません。
猛禽類の中でトビは普通種なのに、なぜかバードウォッチャーからは人気がなくて資料が無いのです。
『フィールドガイド日本の猛禽類』シリーズでトビを扱った続編が出版されることを切望します。
自分なりに、いくつか仮説を立ててみました。
(1)独りで強風に乗る遊び(ウィンドサーフィン)を楽しんでいるのかな?
(2)上昇気流に乗りながらクルクル回って帆翔したくても、上昇気流が弱くて不安定なのでしょうか?
(3)繁殖期が始まり、異性にアピールするディスプレイ飛翔なのかもしれません。 (願望)
実は以前、鳴きながら似たような波状飛行を披露するノスリを観察しました。
関連記事(2年前の撮影)▶ 対人威嚇の波状飛翔ディスプレイを繰り返しながら鳴くノスリ(野鳥)
幸いノスリに関する専門書は出版されていて、それによると波状飛翔ディスプレイは威嚇や縄張りからの排除行動だと知りました。
その解釈がそのままトビにも当てはまるのかどうか問題です。
今回のトビは黙って飛んでいますし、私のことなど眼中には無いようで、対人威嚇には見えませんでした。
波状飛行ディスプレイにしては上下動が小さいでしょうか?
0 件のコメント:
コメントを投稿