2023年3月下旬・午後15:00頃・晴れ
早春の広大な雪田にコハクチョウ(Cygnus columbianus bewickii)の大群が散開して採食していました。
冬に渡来した白鳥の群れが毎晩過ごす集団塒 の川があるのですが、朝になって採餌のために塒から飛び去る行き先が長年分かりませんでした。
白鳥に関する本を読んで、昼間に田んぼで採食するという知識は得ていました。
しかし、ここ豪雪地帯では冬季に田んぼが深い雪に埋もれていますから、白鳥は採食できないはずです。
隣の宮城県や福島県など雪の少ない暖かな地方に毎日遠征して餌場に通っているのだろうと勝手に推測していました。
念願だった白鳥の採食シーンを実際に観察するのは今回が初めてです。
春になって雪が溶ければ、集団塒の川から遠出しなくても近場の田んぼで採食できるようになるのでしょう。
長年の謎(ミッシングリンク)がようやく解けたときの喜びは、自然観察の醍醐味です。
白鳥の数があまりにも多く(数百羽?)、どの個体の行動に注目すべきか、目移りしてしまいます。
採食中の白鳥にどれだけ近づけるか分からなかったので、警戒させないように、まずは遠くから大群の全景を撮影します。
よく晴れて春の日差しが強く、残雪が溶けて露出した地面からは陽炎がゆらゆらと立ち昇っています。
せっかくなので白鳥のシャープな映像を撮りたいのですけど、自然現象なので仕方がありません。
コハクチョウたちは、雪が溶けて泥濘になった田んぼで落ち穂を丹念に食べているようです。
羽毛が純白の個体は成鳥で、少数混じっている灰色の個体は若鳥です。
採食だけでなく、羽繕いしたり、雪原や畦道に座り込んで昼寝をしたりする個体も見受けられます。
その場で背伸びをしながら翼を羽ばたかせる個体もいました。
コーコー♪と白鳥が鳴き交わす声もかすかに聞こえます。
カメラを右から左へゆっくりパンしていると、大群に混じって1羽だけピンクの首輪を装着した個体が居ました。(@2:05〜)
白鳥を一時捕獲して個体標識することで、渡りのルートなど詳細な研究が可能になります。
例えば、この個体はロシアのシベリア地方で首輪を装着されたのかもしれません。
首輪には個体標識の記号や文字などが記されているはずですが、遠いので残念ながら読み取れません。
それどころか、撮影中の私は首輪装着個体に全く気づきませんでした。
参考サイト:
予定を変更し、この後も夢中で白鳥を撮りまくりました。
つづく→
0 件のコメント:
コメントを投稿