2023年8月中旬〜下旬
「アナグマ参上!」「タヌキ見参!」とお互いに対抗するかのように同じ地点にマーキングし合っています。
それだけでは説明できない不思議な行動も始めたのです。
シーン1:8/17・午前4:43:・気温22℃(@0:00〜)日の出時刻は午前4:52。
夜明け直前に1頭のタヌキ幼獣がアナグマの巣口Lを点検している間に、タヌキ成獣は左へ歩き去りました。
それを追いかけようとした幼獣が、セットに転がっていた細長い落枝の匂いを嗅いでから、首筋を擦り付けて匂い付けをしました。
立ち去り際に、その落枝に小便をかけてマーキングしたようです。
目を凝らして動画を見ると、落枝の上をアリの行列が夜も右往左往しているので、蟻酸の匂いが気に入ったのかもしれません。
シーン2:8/22・午後22:06・気温27℃(@0:36〜)
5日後の晩に現れたニホンアナグマ成獣♀が例の細長い落枝のすぐ横で尻を地面に擦り付け、スクワットマーキングしました。
まさか5日前にタヌキ幼獣がやった排尿マーキングの残り香に対抗したのでしょうか?
そのまま左へ。
シーン3:8/22・午後23:48・気温26℃(@0:49〜)
1時間40分後の深夜に左からやって来たアナグマ幼獣が、いつもの場所で軽くスクワットマーキングしてから巣口Lの横を通り過ぎ、右上奥の獣道へ向かいました。
シーン4:8/23・午前3:55・気温24℃(@1:02〜)
日付が変わった未明に現れたアナグマ幼獣が、通りすがりにいつもの場所でちょっと座り込みました。
地面に尻を擦り付けてはいないので、スクワットマーキングではなさそうです。
なんとなく排尿マーキングではないかと思うのですが、どうでしょうか?
ノソノソと左に歩き去りました。
シーン5:8/23・午前3:55(@1:18〜)
別アングルに設置した広角の監視映像で続きが撮れていました。
巣口Rの匂いを嗅ぎ回ってから、右へ向かいます。
シーン6:8/23・午前8:15(@1:45〜)
4時間20分後、朝日がすっかり昇りっていました。
奥の二次林から1頭のタヌキaがゆっくりやって来ました。
直後に右から別個体bが現れました。
aはアナグマの巣口Rに慎重に近づき、匂いを嗅いでいます。
耳をピクピク動かしているのは、飛び回るハエ(コウカアブ?)を払うためかな?
その間、右でタヌキbが地面に転がっていた細い落枝に横顔(首筋?)を擦り付けました。
幼獣か成獣か、私には見分けられません。
シーン7:8/24・午前8:55(@2:18〜)
翌日も明るい午前中にタヌキのペアが登場しました。
体格差があるので、おそらく親子なのでしょう。(幼獣と成獣)
巣口Rの近くで地面に転げ回り、細い落枝に首元を何度も擦り付けています。
猫にマタタビを与えたときのように、夢中になって匂い付けをしています。
もう1頭(成獣)も近寄ってきたのですが、落枝に興味を示さないのが非常に興味深く思いました。
この匂い付けは、タヌキの幼獣に特有の行動なのでしょうか?
匂いに対する反応に性差があるのかな?(性的な興奮? ネコにマタタビ的な媚薬?)
タヌキにフレーメン反応があるのかどうか知りませんが、素人目にはしてないと思います。
幼獣個体が落枝を独占して、匂い付けに熱中しています。
ちなみに、アナグマは同じ落枝の匂いを嗅いでも、その上で転げ回ったり毛皮を擦り付けたりする行動は見られません。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
【考察】
タヌキがこれほど熱狂する落枝の匂いが気になります。
しかし我々ヒトは嗅覚が退化しているため、悲しいかな追体験ができません。
問題の落枝を採取して精密な化学分析にかければ、何か発見できるでしょうか。
飼い犬でも散歩中に似たような行動をすることがあります。
お気に入りの物体(落枝)の匂いを自分の毛皮に移して我が物にする行動だと思うのですが、逆に首筋の臭腺?から落枝に対して匂い付けをしている可能性も考えられます。
↑【参考動画】
「タヌキ においづけ」 by UraniwaKansatsukiさん(裏庭観察記)
竹林に設置したトレイルカメラの映像です。
先行する個体が地面に生えた幼竹の小さな茂みに首筋など自分の毛皮を激しく擦り付けました。
後続個体2頭のうち、1頭は同じ場所に立ち寄って匂いを嗅ぐも、匂い付け行動をしませんでした。
ここでマーキングした動物の正体は?
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