2023年3月中旬・午前5:50頃・くもり (日の出時刻は5:52)
郊外で農家の裏の畑に稲の籾殻が大量に積み上げられています。
日の出直前の薄暗い時刻に通りかかると、その天辺にキジ♂(Phasianus versicolor)が佇んでいました。
小高い籾殻山の頂は見晴らしが良さそうで、油断なく辺りをキョロキョロ見渡しています。
さすがに近くの樹上で寝ていたのではないかな?と予想しています。
もしかすると、籾殻の山は発酵熱でほんのり温かいのかもしれません。
少なくとも雪山よりは寒くないでしょう。
見晴らしの良いお立ち台というだけでなく、天然の床暖房にもなってそうです。
周囲の畑は残雪に埋もれたままですが、籾殻の山に積もっていた雪はいち早く溶けていました。
冬〜早春にサーモグラフィカメラで籾殻を撮ってみたいものです。
夜明けと共にキジ♂が一番鶏のように大声で鳴く(母衣打ち)のではないかと期待して、愚直に長撮りしてみました。
「鳴かぬなら、鳴くまで待とう雉 」(字足らず)
しばらくすると、盛りの付いた雄ネコ♂同士が喧嘩する凄まじい唸り声♪が突然辺りに響き渡りました。(@1:08〜)
イエネコ(Felis silvestris catus)の鳴き声を聞いた途端に、全身膨らませていたキジ♂の羽毛がスッと萎んだのは、怯えや自信喪失の現れでしょう。
猫の鳴き声のした右に私が慌ててカメラを振ると、キジトラ♂が民家の軒下をぐるっと回って走り去るところでした。
春はネコの発情期で、雄猫♂同士で縄張り争いや♀を巡る喧嘩が激しくなります。
逃げる喧嘩相手を追い回すキジトラ♂を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:23〜)
縄張り争いに夢中のネコは、キジ♂のことなど眼中にありません。
全く気づいていないようです。
カメラをキジ♂に戻すと、いつの間にか籾殻山の天辺に座り込んでいました。
天敵(捕食者)の猫に見つからないように、姿勢を低く伏せていたのでしょう。
キジ♂は派手な体色ですから、地味な♀と違って保護色(カモフラージュ)の効果は期待できません。
もしも猫に襲われたら飛んで逃げたはずです。
それまではいかにも勇ましい「お山の大将」というイメージだったのに、危険が迫ると実際のキジ♂は臆病なようです。
小山の上にうずくまるキジ押す音姿は、まるでツカツクリの巣のようだと連想しました。
ただし、キジ♂は抱卵や育雛を100%♀に任せるので、的外れな連想です。
ツカツクリ科(ツカツクリか、Megapodiidae)は、鳥綱キジ目に属する科。 本科の構成種は鳥綱では唯一抱卵を行わない。地面に穴を掘ったり、塚状の巣を作りその中に卵を産む。卵は日光や地熱、巣材植物質の発酵熱により温められ孵化する。穴や塚の中の温度は掘り起こしたり、逆に砂や落ち葉をかけることで調整する。(wikipediaより引用)
長撮りしても、結局キジ♂はケンケーン♪と鳴いてくれませんでした。
私に対して警戒していたのかもしれません。
出かける途中で急いでいた私は痺れを切らして撮影を打ち切りました。
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