2020年9月下旬・午後14:40頃・くもり
里山の林道沿いにひっそりと咲いたカメバヒキオコシの群落で蛾がホバリング(停空飛翔)しながら訪花していました。
胸背が緑色で初めて見るスズメガ科です。
調べてみるとヒメクロホウジャク(Macroglossum bombylans)と分かりました。
激しく羽ばたき続ける蛾の羽音は聞き取れませんでした。
近くの樹上でカケスがずっと警戒声♪を発しています。
ヒメクロホウジャクの吸蜜ホバリングを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:21〜)
スローモーションで見て初めて分かることがたくさんありました。
停飛中は脚を全て畳んで体に引き付け、空気抵抗を減らしています。
激しく羽ばたくホバリング中に頭部は空中で完全に静止している…という訳ではなく、上下に少し振動していました。
口吻の先端部が橙色の花粉で薄っすらと汚れていました。
口吻を差し込む細い花筒に飛びながらどうやって狙いを定めるのでしょうか?
口吻を一発では花筒に挿入できず、慎重に何度も試行錯誤していました。
視覚に頼るだけでなく、長い口吻自体に触覚の感覚器官が発達していそうな気がします。
口吻をぐっと花筒の奥に押し込むと、カメバヒキオコシの茎全体が押されて少し傾きます。
吸蜜している花筒に羽ばたきの振動が伝わって震えています。
少し離れた次の花へ飛んで移動する際は、口吻の先端をクルクルとゼンマイ状に丸めて飛んでいました。
この群落で結構長い時間、訪花してくれました。
現場の標高は約310m地点。
夕方には未だ早いのですが、曇り空の山中はかなり薄暗い環境でした。
ヒメクロホウジャクの活動は薄暮性なのでしょう。
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