2015年9月中旬
カシノシマメイガの飼育記録#3
ガレージで片端から捕獲したカシノシマメイガ♀(Pyralis farinalis)を計17頭、容器に閉じ込めました。
なかなか配偶行動を見れなかったのですが、この日ようやく交尾拒否行動を観察できました。(時刻は夜20:20。)
幼虫の餌(産卵基質)として与えた白米の上に♀は静止しています。
その背後から♂がマウントしようと腹部を屈曲しています。
プラスチックの容器越しに接写しながら慌てて補助照明(白色LEDのUSBリングライト)を点灯したら、♂が興奮したようにその場で激しく羽ばたき始めました。
この羽ばたき行動は、照明の有無とは無関係な求愛行動なのですかね?
静止したままの♀は交尾に非協力的です。
閉じた翅で腹端を隠している上に、腹端を♂から遠ざけていますから、明らかに交尾拒否してますね。
おそらく♀が腹端を持ち上げてくれないと交尾器を結合できないと思われます。
♂は求愛しながらゼンマイ状の口吻を伸縮していました。※
そのまま交尾に至らず、このペアは別れました。
その後はしばらく見守っても何事も起こりませんでした。
この♀はすでに交尾を済ませているのか、それとも♂を選り好みしているのでしょうか?
♀が羽化してから性成熟するまで日数がかかるのかもしれません。
※ 成虫の口吻が退化したノシメマダラメイガとは違い、カシノシマメイガは成虫でも餌を必要とするようです。
飼育下で成虫の餌を提供すればもっと盛んに交尾・産卵してくれるのでしょうか?
野外でカシノシマメイガの訪花シーンを見たことがないのも不思議です。(インターネットで画像検索してもヒットしない)
ひょっとして樹液に来るのかな?
本種は触角の形状に性差はあるらしいのですが、いまいち私には外見で見分けられません。
触角♂は微毛状, ♀は糸状. 一般に♂は小さく, ♀は大きいが, 大きさの変異は著しい.(DMOTHサイトより)
以下は標本写真(触角と口吻、♂の翅裏の基部)。
つづく→#4
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