2022年10月下旬・午後14:45頃・くもり
里山の斜面をトラバースする細い山道をときどき通りかかる度に、溜め糞場dを定点観察しています。
この山道は、スギ植林地と雑木林のちょうど境界になっています。
ここは小規模な溜め糞で持続しない(すぐに消失する)のですが、この日は珍しく新鮮な下痢便が残されていました。
下痢便の状態だと、どの野生動物の糞か見分けるのが困難です。
よく下痢をするイメージがあるアナグマの糞でしょうか?
この地点に後日トレイルカメラを設置して監視したところ、ホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が排便に通っていることが確かめられました。
多数のベッコウバエ類やフンバエ類が溜め糞に群がっている他に、ヨツボシモンシデムシ(Nicrophorus quadripunctatus)の鮮やかなオレンジ色が目を引きました。
上翅(=鞘翅)後方の紋が翅端に達するので、マエモンシデムシではなくヨツボシモンシデムシと見分けられます。(参考:『くらべてわかる甲虫1062種』p33)
てっきり屍肉食専門だとばかり思い込んでいたので、獣糞にも来るとは知りませんでした。
関連記事(1年前の撮影)▶ 夜の林道で溜め糞を調べ、排便、逃走するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】
別の溜め糞場で1年前に撮った写真にヨツボシモンシデムシがたまたま写っていました。
死肉食性のヨツボシモンシデムシが獣糞に来ることが当時は半信半疑だったのですけど、今回ようやく決定的な証拠映像を撮ることができました。
溜め糞の半分は水気の多い泥状の液状便(下痢便)でした。
ヨツボシモンシデムシは水気の少ない側の糞塊に1匹だけ居ました。
タヌキの黒い糞塊に頭を突っ込んでいるのですが、獣糞を食べているのか吸汁しているのか、肝心の口元がよく見えません。
途中で糞塊から後退したら顔が見え、触角の先端も橙色でした。
最後は糞塊の縁を歩いて回り込み、湿った部分の下にグイグイ潜り込み、身を隠しました。
※ 鬱蒼とした山林のおそろしく暗い林床で撮った映像が編集時の自動色調補正で改善しました。
その副作用として、ベッコウバエやヨツボシモンシデムシのオレンジ色がどぎつく強調されています。
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