2022年7月中旬・午後16:10頃・晴れ
里山の山道の横に生えたコナラの幹に鮮やかなメタリックグリーンが光っていました。
お!と思って近づくと、アオカナブン(Rhomborrhina unicolor)が樹液酒場で吸汁していました。
黒くボロボロに朽ちかけた部分の幹から樹液が滲んでいるようですが、樹液の発酵臭を私の鼻では全く嗅ぎ取れませんでした。
初めは下向きで幹をうろついていたアオカナブンが上向きに方向転換し、幹の裂け目に口吻を差し込んで吸汁開始。
他にはハエ類とアリ類も樹液酒場に群がっていました。(種名不詳)
近くに居る煩いハエを追い払うために、アオカナブンは前脚で軽く払い除けたり頭を跳ね上げたりしています。
アオカナブンの体の側面から横に生えている尖った突起が格好良くて、いつも気になっています。
この器官の正式名称と役割を知りたいところです。
自衛用の武器なのでしょうか?
それとも飛翔時に役立つ器官なのかな?
アオカナブンと正しく同定するためには、識別点の腹面を確認する必要があります。
カナブンの緑化個体と似ていて紛らわしいのですが、私は未だ調べた数が少ないこともあり、カナブン緑化個体を見つけたことがありません。
手掴みした瞬間に驚いたアオカナブンが反射的に透明なオシッコを排泄したものの、残念ながら私の手で隠れてしまい、しっかり写っていません。
樹皮に食い込んだ爪を引き剥がすのに苦労しました。
仰向け状態で擬死している間に腹面を接写すると、胸部中央部から細長い突出した構造があることからアオカナブンと判明。
また、左右の後脚のつけ根が接していることもアオカナブンの特徴です。
なんとか自力で起き上がると、私の手の上を慌てて走り回り、すぐにブーン♪と重低音の大きな羽音を立てて飛び去りました。
【参考図書】
・『くらべてわかる甲虫1062種』p59
・『樹液に集まる昆虫ハンドブック』p49
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、 鞘翅は閉じたままで、横の隙間から後翅を広げて羽ばたいていることが分かります。
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