2021年6月中旬・午後20:30頃
山中の池Hで夜も観察を続けると、
ヤマアカガエル(Rana ornativentris)のオタマジャクシ(幼生)の群れに混じって見慣れない小動物が岸辺の浅瀬に潜んで居ました。
赤外線の暗視カメラで記録してみましょう。
両生類に疎い私はサンショウウオの仲間かと撮影中は思ったのですが、鰓が見えませんし、どうやらアカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)のようです。
昼間でもこの池でイモリを見たことはありませんでした。
初めはやや遠くてカメラの赤外線が充分に届きません。
途中から補助照明の赤色灯LEDを点灯してもアカハライモリの目にはあまり見えてないようです。
私がそっと近づいても逃げませんでした。
(モノクロ映像なので、赤色灯を使用したことが分かりにくいですね。)
※ 前半部の暗視映像には動画編集時に自動色調補正(equalizor+grayscale)を施しています。
イモリは浅い水底をゆっくり這って、岸の方へ少しずつ近づいて来ます。
イモリはオタマジャクシを捕食しようと狙っているのかな?
関連記事(9年前の撮影)▶ アカハライモリが菜食?
ところが、岸辺で休んでいたヤマアカガエルの幼生は、イモリの接近に気付くと次々に逃げてしまいます。
オタマジャクシの体表には側線が発達しているおかげで、周囲の水流の乱れに敏感です。
すぐ目の前にオタマジャクシが居るのに捕食しないということは、暗闇でイモリは獲物がよく見えてない気がします。
今回面白かったのは、アカハライモリが急に身を翻して水面に浮上し、急いで息継ぎをしてから再び潜水したことです。
息継ぎの際に水面に泡が出たのを確認できます。
この行動をときどき繰り返していました。
イモリは夜行性というよりも、肺呼吸で息継ぎするために昼も夜も浮上・潜水をひたすら繰り返さないといけないのでしょう。
スロー再生で見直すと、尾を左右にくねらせて泳ぎ、水面に浮上しました。
一息で吐いた(排気)直後に空気を一息で吸って(吸気)すぐに潜水しています。
参考サイト(森の学校):イモリの呼吸法 によれば、
イモリの成体は魚のようにえら呼吸ではなく、肺呼吸と皮膚呼吸で生きています。 だから水中に潜っていても、このように時々水面に上がって来て肺呼吸をしなければなりません。 陸上では皮膚呼吸も行います。最後はどうしてもイモリの体色を確認したくて、補助照明を白色光に切り替えて撮影してみました。
すると案の定、イモリは眩しい光を嫌って、池の深い水底へと慌てて潜って逃げてしまいました。
その後は警戒して、息継ぎのための浮上をしなくなりました。
アカハライモリの背面は全身地味な焦げ茶色でした。
腹面の赤い斑紋が見えなかったのは残念です。(捕獲しないと無理?)
アカハライモリの♂は繁殖期になると美しい色彩(婚姻色)へと変わるらしい。
いつかイモリを飼育してみるのも楽しそうです。
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