2020年8月中旬・午前10:25頃・晴れ
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軒下で寄主の巣穴を探し回るハラアカヤドリハキリバチ♀郊外にある木造平屋建ての民家の軒下でコウヤツリアブ♀ (Anthrax aygulus)がホバリング(停空飛翔)していました。
木の梁のあちこちに小さな虫食い穴が開いています。
そこに借坑性の蜂(ドロバチ類やオオハキリバチなど)が営巣しているようです。
労働寄生種であるコウヤツリアブ♀は、寄主の巣穴に産卵するため飛来したのです。
寄主の巣口の手前でホバリングしながらときどき腹端をチョンチョンと標的に触れて(?)繰り返し産卵しています。
コウヤツリアブ♀の産卵行動を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:52〜)
腹端の白い部分がホバリング中にヒラヒラしている(ように見える)のが気になりますが、どういうことかよく分かりません。
コウヤツリアブ♀は停飛しながら寄主の巣口を何度も覗き込み、狙いを定めると腹端を振り子のように大きく前方に振って卵を勢い良く射出していました。
着陸してじっくり産卵した方が体力の消耗もはるかに少ないはずなのに、ホバリングの名手は産卵中もホバリングを止めません。
ようやく産卵が一段落すると、板壁に止まって小休止。
寄主の巣穴や材の割れ目が見えない位置に止まったので、次に卵を産む標的をじっくり調べているのではなく、ただの休息だと思います。
すぐにまた飛び立つと、次の寄主の巣穴に対してホバリング産卵を再開しました。
同定用にストロボ写真も撮りたかったのですが、動画撮影を優先していたら寄生ツリアブに逃げられてしまいました。
動画のスナップショットだけでもなんとか翅の黒い斑紋の特徴からコウヤツリアブ♀と同定することができました。
労働寄生者(寄生ツリアブやハラアカヤドリハキリバチ♀)が軒下で狼藉を働いている間に、寄主の蜂は一度も戻って来ませんでした。
したがって寄主の正体は不明です。
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