2016年9月下旬
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肉団子や巣材を巣に搬入するチャイロスズメバチ♀【ハイスピード動画】
神社の破風板(南側)の裏に営巣したチャイロスズメバチ(Vespa dybowskii)のワーカー♀が飛んで巣に出入りする様子を240-fpsのハイスピード動画で撮っていたら、ちょっと興味深いシーンが記録されていました。
地味なハエ(種名不詳)が単独で飛来し、破風板に着陸しました。
チャイロスズメバチの巣口へ向かってまっしぐらに、少しずつ歩いて接近したのが思わせぶりです。
もちろん、ただの偶然でハエの気紛れな行動かもしれません。
スズメバチ類の巣に寄生・産卵するアブ(ベッコウハナアブ類)が知られているので、もしかするとこのハエの目的もそうなのか?と期待が高まりました。
ところがハエは巣内には侵入せず、やがて破風板から飛び去りました。
高所で遠い上にハイスピード動画は画質が粗いために、ハエの行動の詳細がよく見えないのは残念です。
もしかすると、破風板に産卵したのかもしれません。
孵化したハエの幼虫(ウジ虫)が自力で寄主の巣に侵入する可能性も考えられます。
(諺で「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と言いますが、虎穴に入らなくても寄生ハエは目的を達成できる?)
ただし、今回のハエの見かけは明らかに既知のベッコウハナアブ類ではありませんでした。
たとえば普通のニクバエの仲間だとすると、肉食性であるチャイロスズメバチの巣内から食べ残しなど掃除屋(scavenger)にとって魅力的な屍臭(腐臭)がしたのかもしれません。
ちなみにドロバチ類の巣に寄生・産卵するニクバエ(ドロバチヤドリニクバエ)も知られています。
破風板に多数集結しているチャイロスズメバチの門衛は、このハエに対して特に警戒したり追い払ったり獲物として狩ったりしませんでした。
「ハエなど眼中にない」という感じです。
もし襲いかかってもハエの方が俊敏で、易々と逃げられてしまうでしょう。
最後は1/8倍速のスローモーションから1倍速に戻してリプレイ。(@1:48〜)
つづく→屋根裏の巣に出入りするチャイロスズメバチ♀の羽ばたき【ハイスピード動画】
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