2015/03/18

刈田で落穂拾いするニホンザルの群れ【中編】



2014年11月中旬


▼前回の記事
刈田で落穂拾いするニホンザルの群れ【前編】

三部作の中編では、農道を挟んで右側の田んぼで採食する野生ニホンザルMacaca fuscata)の群れをまとめてみました。
私が望遠レンズで撮影している位置から最も近いため、しっかり観察できました。
右側の刈田は稲刈りの順序が先だったようで、既に刈株から緑の若葉が伸びています。
しかし猿の採食行動をよく見ると、やはり採食メニューはイネの若葉ではなく落ち穂の籾米でした。
摂取カロリーを考えれば当然ですね。
冬に備えて脂肪を蓄えなければいけない時期です。
落ち穂を摘み上げると穂先を口に咥えてしごき、籾米を採食しています。



冒頭で農道に出てきた個体に注目すると、 口をもぐもぐ動かし籾米を咀嚼しています。
頬袋に詰め込んでいるのかどうか、よく分かりませんでした。
再び農道に出てきた(@2:00)目つきの鋭い個体は、後ろ姿の股間に睾丸が見えるので♂でした。
頬袋が膨らみ、口をモグモグ動かして籾米を咀嚼しています。
農道から右の田んぼに下りて仲間♀に合流しました。
♀は少し距離を取り、背を向けました。
2頭がどのような関係にあるのか分かりませんが、♂は♀にさり気なく寄り添い、素人目にはなんとなく気がありそうです。(ただの仲良し?)
しばらくすると、奥から別個体♀が畦道を駆けて来ました。
嫉妬に駆られて来たのなら興味深いのですが、先客の♂♀ペアから少し離れた所に座り採食開始。
しかし私の予想に反して、集まった3頭で喧嘩や相互グルーミング、プレゼンティングは一切見られませんでした。
三者が各々移動して、付かず離れず採食を続けるだけです。

最後は右手の刈田から2頭が農道を渡り、隣の田んぼへ移動しました。
散開した群れのどの猿を撮ろうか目移りしていると、採食中の2頭が小競り合いを始めました。(♀vs♂?)
今回も怒った個体がダッシュする素振りの威嚇だけで、逃げた個体を深追いしませんでした。
猿山や餌付け群のぴりぴりしたニホンザル達とは全く違い、実に平和な(のどかな)光景でした。

※ YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。

つづく→後編



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