2013年5月上旬
山道の路上を徘徊する小さなハエトリグモを発見。
触肢の前面が白く目立つヤマジハエトリ♂(Asianellus festivus)でした。
♀を探して徘徊しているのでしょう。
しつこく追い回して徘徊・跳躍シーンを240 fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
運が良ければ、跳んだ後に細い命綱(しおり糸)が光って見えます。
後半の跳躍映像は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイしてあります。
『クモを利用する策士、クモヒメバチ: 身近で起こる本当のエイリアンとプレデターの闘い 』p71によると、
ハエトリグモは飛びついて獲物を捕らえることでよく知られるが、跳躍の前に必ず大瓶状腺糸を梨状腺の付着盤で固定しており、安全装置としての機能を果たすと同時にその糸が紡出される強さを飛びながら調節することで、獲物の位置にぴたりと着地できるようにしている。
同一個体で通常のHD動画でも撮ってみました。
実際の活動スピードはこんな感じです。
強い日差しに照らされた舗装路は熱く、ヤマジハエトリの体温も高いようです。
とにかく活発に動き回り、接写するのに難儀しました。
ネコハエトリ♂などでは繁殖期の♂は鏡像を別個体の♂と誤認して威嚇の誇示行動を示します。
関連記事→「ネコハエトリ♂に鏡を見せてみた」ヤマジハエトリ♂ではどうだろうと思い、徘徊するクモの目の前に手鏡を差し出してやり、鏡像反応を調べました。
予想に反してヤマジ♂は鏡に突進して回りこむだけで、あまり面白い行動は見られませんでした。
試行回数が少なく、鏡を見せる角度が上手く行かなかった(=クモの眼に鏡像が見えなかった)可能性があります。
アスファルトが熱すぎて、鏡像に構っている場合ではなかったのかな?
それとも未だ性的に成熟していない亜成体♂なのかもしれません。
実は♂2匹が出会ったのですが、誇示行動を動画に記録する暇もなくすぐに別れてしまいました。
【追記・参考】
研究報告『ハエトリグモの誇示行動』によると、
ヤマジハエトリ Asianellus festivus はオス同士、またはオスとメスは出会ったにもかかわらず、なんの誇示行動も見せなかった。
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