2013/06/13

繭を紡ぐウスバアゲハ♂終齢幼虫



2013年5月中旬・室温24℃

ウスバアゲハ♂の飼育記録3

プラスチック容器内を早足で徘徊していたウスバアゲハ(旧名ウスバシロチョウ;Parnassius citrinarius)の幼虫が隅に落ち着き、口からせっせと絹糸を吐き始めました。
脱皮を一度も見ていないので、4日前の採集時で既に終齢幼虫だったようです。
図鑑に掲載された終齢幼虫の体長(〜40 mm)よりも未だ小さく、前の晩までは食欲旺盛だったため油断していました。
活動性が鈍り(眠)、軟便を排泄する、という兆候に全く気づけませんでした。

頭部を∞の字に動かしながら糸を吐いて繭を紡いでいます。
『イモムシハンドブック』p20によれば本種は「枯れ葉の下などに薄い繭をつくって蛹化する」らしい。

確かにプラスチック容器は基質として絹糸が付着しにくいようで繭の試作・中絶を何度も繰り返し、悪戦苦闘しています。
このままでは糸を無駄に消費して繭が作れなくなるのではないかと恐れました。
終齢幼虫の下面は胸脚、腹脚、頭楯も全て真っ黒でした。

慌てて手近にあった小さな紙箱に幼虫を閉じ込めました。
私の目論見としては紙箱の中に繭を作って欲しかったのです。
ところが芋虫は結局、紙箱の隙間から脱出した挙句、プラスチック容器の底面および壁面と紙箱に挟まれた隙間に繭を作ることに決めたのです。


アゲハチョウ科なのに繭を紡ぐウスバアゲハはかなり異色です。
他の多くのアゲハチョウは裸のまま蛹化するだけです。

つづく→営繭の微速度撮影



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