2012年9月上旬
前編からのつづき。
結局ハラアカヤドリハキリバチ♀(Euaspis basalis)は大量の樹脂に歯が立たず穿坑を諦めたのか、軒下を徘徊し始めました。
やがて木の柱から飛び去りました。
そのまま監視を続けると、ハラアカヤドリハキリバチは繰り返しオオハキリバチ(Megachile sculpturalis)の巣に飛来するも、樹脂を調べたり身繕いしただけで飛び去りました。
寄主巣の掠奪および改造を始める訳でもなく、一体何の目的で繰り返しオオハキリバチの巣に飛来するのか謎です。
巣口を塞ぐ樹脂のバリアを噛み破ろうとしているのなら、のんびりし過ぎ(休憩が多過ぎる)のような気がします。
同一個体の♀だろうと思って撮りましたが、個体標識していないのでその保証はありません。
複数のハラアカヤドリハキリバチ♀が適当な寄主巣を探索(パトロール)・物色して入れ替わり立ち替わり飛来した可能性もあります。
実は同じ東屋の軒下には反対側(東面)にもオオハキリバチの完成した巣があります。
しかしなぜかこちらにはハラアカヤドリハキリバチは来ませんでした。
また、東屋の屋根裏中央の梁の隙間で営巣するオオハキリバチ♀の姿も同じ日に観察しています。
巣材の木屑をせっせと搬入していました。
天敵である労働寄生蜂を営巣地周辺から撃退するかどうか興味があったのですが、二種のニアミスは観察されませんでした。
シリーズ完。
『カラー自然シリーズ49:ハチのかんさつ:竹づつにあつまるハチたち』p31によると
巣を盗むハラアカハキリバチヤドリは、腹に花粉を集めるための毛がありません。幼虫は、オオハキリバチが集めた花粉を食べて育ちます。『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p47より
やにで巣をつくるオオハキリバチには、ハラアカヤドリハキリバチが労働寄生する。このハチは寄主の巣が完成するまでは何もせず、ときどき巣を訪れ、巣が完成し寄主が入り口の栓をして立ち去ると、すぐさま栓を食い破り、入り込んで巣の内部を完全につくり変えてしまう。寄主の卵や幼虫は食われるか除かれ、2〜3の室だけを利用して産卵が行われる。
【参考動画】
「オオハキリバチとハラアカヤドリハキリバチ」by ryusbeeさん
大規模なネストトラップを仕掛けたようです。
壮観ですね!
0 件のコメント:
コメントを投稿