2022年9月中旬・午後12:00頃・晴れ・気温33℃
溜め糞場sを長期監視するトレイルカメラの電池を交換するために、里山のスギ林道にやって来ました。
枯れたスギ落ち葉および落枝の上に、水気の多い緩い軟便がこんもりと残されていました。
監視カメラの映像をその場でチェックすると、この位置に排便したのはアナグマではなくホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)と判明。
タヌキの糞塊で1匹のセンチコガネ(Phelotrupes laevistriatus)がせっせと働いていました。
頭楯の前縁が半円形なので、オオセンチコガネではなくセンチコガネと見分けられます。
柔らかい糞塊をほぐして小さな塊に切り分けると、前脚で糞玉を手前に掻き寄せるように転がしながら後ろ向きに(後ずさり)運んでいました。
どうやら糞塊のすぐ横のスギ落ち葉の下にセンチコガネの巣穴があるようです。
しばらく待つと、センチコガネが再び巣口から顔を出し、次の糞玉を採取しに向かいます。
糞塊上で奮闘しているセンチコガネが腹面を向けてくれました。
腹面は鈍い青緑色の金属光沢があります(構造色)。
この搬入(糞ころがし)を何度も繰り返す結果、タヌキの溜め糞は次第に地中へ埋められて食べ尽くされてしまいます。
関連記事(2ヶ月前の撮影@同地点)▶ タヌキの溜め糞場から糞の欠片を後ろ向きに転がして運ぶオオセンチコガネ
♀のハエは溜め糞に卵を産み付けるはずですが、ハエの産卵シーンは未だ見たことがありません。
アカバトガリオオズハネカクシ(旧名アカバハネカクシ;Platydracus brevicornis)およびサビハネカクシ(Ontholestes gracilis)が糞塊を徘徊し、ハエなどの獲物を狩るチャンスを虎視眈々と狙っています(獲物を待ち伏せ)。
アカバトガリオオズハネカクシがミドリキンバエ?の狩りに失敗した直後にセンチコガネの後を追って巣穴に侵入することもありました。
しかし肉食性のハネカクシも硬い甲冑で身を守る糞虫には歯が立たないはずです。
まさかセンチコガネの卵や幼虫を捕食するのかな?
いつかファイバースコープを使って、センチコガネの巣内を観察してみたいものです。 (巣穴に差し込んでも先端のレンズがすぐに汚れてしまって撮影は無理なのかな?)
ムネアカオオアリ♀やもっと微小なアカアリ(種名不詳)も溜め糞場sに来ていました。
タヌキの溜め糞には多種多様な虫が訪れ、複雑な食物連鎖の生態系が成立していることがよく分かります。
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