2021年7月上旬・午前11:35頃・くもり
民家の裏庭を囲む板塀の天辺にモズ(Lanius bucephalus)が独り止まっていました。
横を向いた時に下嘴が黄色っぽく、過眼線が薄いことに気づきました。
どうやら幼鳥のようです。
モズらしく尾羽を上下に動かしています。
親鳥が巣外給餌に来てくれるまでおとなしく待っているのでしょう。
ときどき首を傾げてみせる仕草が可愛らしいですね。
モズ幼鳥が見下ろす視線の先には生ゴミを処理するコンポスト容器が置いてあるので、その周囲を飛び回るハエなどに興味を示しているのかもしれません。
前半は静かにしていたのですが、しばらくするとモズ幼鳥は半開きにした翼を細かく震わせながらキチキチキチ…♪と鋭く鳴き始めました♪(@1:38)
おそらく近くに飛来した親鳥を見かけた幼鳥が餌乞いを始めたのでしょう。
嘴の内部は鮮やかな赤色で、橙色で縁取られています。
いよいよ巣外給餌のシーンを観察できるかと期待したのですが、モズ幼鳥は鳴きながら飛び去ってしまいました。
隠し撮りしている私に気づいて警戒したのかな?
餌乞い行動および飛び立ちを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
モズ幼鳥の餌乞い♪を声紋解析してみる
いつものようにオリジナルの動画ファイルから音声をWAVファイルに抽出し、鳴いている部分を切り出してからスペクトログラムを描いてみました。
手元にある資料を調べても、モズ幼鳥(巣立ち雛)の餌乞い行動に関する解説は見つかりませんでした。
『日本の野鳥さえずり・地鳴き図鑑』でモズを調べると、
地鳴き:ギチギチギチなどと鳴く。 巣立ちビナがいるあたりに人やネコ、カラスが近づくと、ギチギチとうるさく鳴き騒ぐ。(p34より引用)唐沢孝一『モズの話:よみもの動物記』という本によると、
えさねだり行動はまれで、むしろ(幼鳥同士の:しぐま註)排他的行動が目立つ。1羽の幼鳥の止っている背後から襲いかかるように飛びつくシーンとか、他の1羽を7〜8mも追いかけるのもみられる。つつき合ったり、弱い声ではあるがギギギ…といった威嚇音も発し、秋の高鳴きのころのなわばり争い行動を感じさせる。(p177より引用)
一人前になるにつれて攻撃性が高まり排他的傾向が強まり、幼鳥の群は解体し、分散してしまうようである。 巣立った幼鳥たちは、ほんの2週間くらい親子の生活を送り、親の方から子離れして姿を消してしまう。残された幼鳥たちは、群れたり、追い合ったりしながら次第に狩りのテクニックやはやにえ行動を自得していく。 (p179より引用)
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