▼前回の記事ノシメマダラメイガ(蛾)の求愛ダンスと交尾
2015年5月中旬〜下旬
ノシメマダラメイガの飼育記録#4
容器内に止まって交尾しているノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)の♀♂を複数ペア撮りました。交尾器を連結したまま歩いて少し壁を登りました。
背側からは翅に隠れて交尾器の結合部が見えません。
透明プラスチックの容器越しに腹面を接写してみました。
まず頭部腹面に注目すると、成虫は口吻が退化していることを確認できます。
腹部が太く卵が詰まっていそうな左側の個体が♀のようです。
結合器に注目すると、互いに腹部を伸縮させています。
また、右側の♂にだけ前翅前縁基部にwing gland※と呼ばれる性フェロモン放出器官が見えます。
求愛の際にこのwing glandを広げる(突き出す)らしいのですが、私は未確認です。
最後は照明のせいなのか♀が落ち着かなくなり、連結したまま落ちるように飛び去りました。
※ wing glandの正式な訳語を探しています。ご存じの方は教えて下さい。
「雄翼腺」と訳しているサイトを見つけたものの、明らかに機械翻訳のようで信用できません。
「雄翼腺」で検索し直しても他にヒットするサイトがありません。
そもそも昆虫学の解剖学用語で「翼」など使うはずがありません。「翅」という漢字を当てるはずです。
【追記】
桑原保正『性フェロモン:オスを誘惑する物質の秘密』によると、
ツヅリガ3種の♂蛾は前翅前端の基部にある分泌腺“ウィング・グランド”から、特有の香りを放つ。この香りは♂蛾の分泌する性フェロモンであり、♀蛾を誘引する。♂蛾の香りは強烈で、1匹を1日シャーレに閉じこめただけで、人の鼻でもよくわかる。 (p233より引用)
※※ 映像の一部はYouTubeの動画編集時に手ブレ補正のついでに自動色調補正してあります。
つづく→#5:ノシメマダラメイガ(蛾)の求愛行動【ハイスピード動画】
左♀、右♂。 |
前翅前縁基部に♂特有のwing gland |
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