2013年6月中旬
ヒメギフチョウの飼育記録9
ここ数日、ヒメギフチョウ(Luehdorfia puziloi inexpecta)幼虫の食欲が全く無くて心配していたら、いつの間にか前蛹となっていました。
帯蛹に分類されるようで、腹端を絹糸で固定してから胸部の周りに糸の輪をかけて支えています。
更に、一匹は既に蛹化を済ませていました。
てっきり4齢かと思っていたら、実は既に終齢(5齢)幼虫だったようです。
図鑑に掲載された終齢幼虫の体長よりも小さかったのですが、栄養不良気味だったのかもしれません。
食草調達の苦労から解放されて一安心です。
卵塊を採集してきてから29日目でした。
『科学のアルバム:ギフチョウ』p32によると、
場所が決まると、体を縮めて、糸をかけ、2日ほどじっとしています。やがて胸の皮が割れたかと思うと、2〜3分で蛹になります。初めはウグイス色ですが、数時間後には、周りの枯葉や土に溶け込むような、濃い褐色になります。
残る4匹の前蛹が蛹化する様子を微速度撮影で記録することにしました。
インターバル撮影した写真や長撮り動画を素材に早回し映像を制作しました。
ただし、説明のための順番(演出)を優先したので、時系列(実際に蛹化した順番)は編集で変えてあります。
また、早回し映像の速さもまちまちです。
通常の(等倍速)映像も一部に使われています。
前蛹の側面に走る黄色の点列が色褪せてきて白くなるのが蛹化の前兆です。
肉眼では蛹化前の眠で「微動だにしない」ように見えますが、微速度撮影してみると激しい蠕動を続けていることがよく分かります。
やがてその蠕動が激しくなり、脱皮すると黄緑色の蛹が現れます。
もはや蛹は動かなくなり、鮮やかな黄緑色だった蛹は数時間かけて黒化というか褐色に変わります。
撮影用の補助照明として白色LEDのリングライトで終日照らし続けても、前蛹の体内時計は乱れることなくきちんと早朝に蛹化するのが凄いし不思議に思いました。
飼育容器はDVDスピンドル容器を再利用していました。
蛹化に気づいてから観察のため蓋を外したら、上下が逆になりました。
後にこれが大きな問題を生むことになりました。
帯蛹となる前蛹が下向きになってしまったせいで、脱皮直後に蛹を支える糸の輪が外れて落下する事故が続発したのです。
容器を上下逆さまに使って飼育すれば良かったのですが、そこまで考えが及びませんでした。
落ちた蛹はプラスチック容器の底に固着しました。
つづく→「ヒメギフチョウの蛹は腹部しか動かせない」
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