2025/09/11

軒下の巣に外被を増築するコガタスズメバチ♀と巣口を守る門衛:7月上旬

 



2024年7月上旬・午後12:00頃 

軒下に吊り下げられたコガタスズメバチVespa analis insularis)の巣で、1匹のワーカー♀aが新たに外皮を付け足していました。
多数のワーカーが巣材としてそれぞれ好みの地点から色々な樹皮のパルプを集めてくる結果、外被に美しいマーブル模様が現れます。
設計図もないのに、巣全体はほぼ球形を保ったまま少しずつ大きくなります。
外被の外側に巣材を追加して拡大するだけでなく、巣の内側から少しずつ外被を削り取って内部空間を広くしながら、巣盤や育房を作る巣材として再利用しています。
つまり外被の厚さはほぼ一定で、数層の断熱材になっています。
パルプという軽くて丈夫な天然巣材を使って見事に建築する様を観察する度に感嘆してしまいます。

ワーカーの間にも分業があるようで、外皮上をパトロールしているだけの個体♀bもいます。
また別の♀cが門衛として巣口の奥から外界を見張り、帰巣した個体を誰何すいかしています。 

♀aが持っていた巣材のパルプを使い切ると、巣内に戻りました。
♀aの造巣作業が終わるのを待っていたように、待機していた♀bは外被に新しく出来たポケット状の空間を点検しています。
作りたての外被がしっかり乾くまで、自分がポケット内に潜り込んで居座り、外被ポケットが潰れないようにしているのかもしれません。
あるいは、ポケット内は気化熱でひんやり涼しいのかもしれません。


つづく→

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