2022年6月中旬・午後12:25頃・晴れ
里山の尾根道が合流する地点の近くにホンドテン(Martes melampus melampus)がサインポストの糞を残していました。
ズームインすると、糞に獣毛や果実の種子が混じっているのが見えます。
獣糞の内容物調査を真面目にやったら面白そうですけど、忙しくてなかなか手が回りません。
私が知らずに近づいたらイチモンジチョウ(Limenitis camilla japonica)が地上(糞の上から)から飛んで逃げました。
状況を見て意図を察した私がじっと立ち止まってしばらく待つと、蝶はほぼ同じ場所に舞い戻って来てくれました。
警戒しながら少しずつ獣糞に近づいて行きます。
テンの糞は複数並んでいて(溜め糞?)、その一つにイチモンジチョウは口吻を伸ばして舐め始めました。
獣糞を吸汁してミネラル成分を摂取しているのでしょう。
残念ながら真上から見下ろすアングルでは口吻がよく見えません。
横からの撮影アングルで吸汁シーンをじっくり撮ろうと私がそっと移動したら、イチモンジチョウは飛んで逃げてしまいました。
テンの糞にはニクバエの一種も来ていて、吸汁したり身繕いしたりしていました。
熊谷さとし、安田守『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』によれば、
テンのフィールドサインといえば、サインポストの意味をもつフンだ。切り株の上や人工物の突端、林道の真ん中など、目立つ場所で見つかる。(中略)夏季のフンには、小型哺乳類の骨片や小鳥の羽毛などが見つかる。初秋から春にかけては、内容物のほとんどが果実の種子だ。古いフンは、衣類用防虫剤に似たニオイがする。(p60より引用)
次に機会があれば、本当にナフタリン臭いかどうか確かめてみようと思います。
ホンドテンが尾根道のいつも同じ場所に排便しているのだとすれば、トレイルカメラを設置したいところです。
しかし、ここは登山客がよく通る道なので、難しそうです。
この場所を通りかかる毎に注意して見ていると、 テンはなぜかここで糞をしなくなってしまいました。
(気温の高い夏には糞虫などによってテンの糞はあっという間に埋められたり食べられたりしているのかもしれません。)
後日、同じ山域でホンドテンが確かに生息しているという証拠映像を撮ることが出来ました。(映像公開予定)
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