2021年5月上旬・午後16:20頃・晴れ
里山の林道沿いに自生する山桜の灌木に咲いた花に数匹のビロウドツリアブ(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が訪花していました。
この組み合わせは初見です。
桜の花から花へ忙しなく飛び回り、花蜜を吸っています。
山桜の花に着陸して吸蜜しながらも高速の羽ばたきを止めません。
吸蜜中は花に軽く脚を掛けているので、厳密には吸蜜ホバリングとは呼べませんね。
蜜量が多い花を見つけると、長居して吸蜜を続けます。
それでも羽ばたきのアイドリングを止めようとしません。
ビロウドツリアブの吸蜜ホバリングを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:16〜)
スーパースローで見ると、新たな発見がいくつもありました。
次の花へ狙いを定めて向かう際に、空中で停飛しながら段階的に方向転換する様がドローンのようで面白いですね。
山桜の花から垂直離陸しながら空中で左右の足を擦り合わせていました。(@2:19)
花の手前でホバリングしながら両足を擦り合わせることもあります。
ホバリング中に前脚と中脚を畳んで体に引き付けているのは、空気抵抗を減らす体勢なのでしょう。
一方、後脚をホバリング中に左右に(斜め後方に)大きく伸ばしているのが不思議です。
空中姿勢のバランスを保つためかな?
双翅目なのに翅が4枚あるように、しかも高速で羽ばたく翅が止まって見えるのは、ストロボ効果(ワゴンホイール効果)による錯覚です。
翅の振動数が丁度240fpsの倍数なのでしょう。
スーパースローでもビロウドツリアブの平均棍が全く見えませんでした。
高速で振動しているのかな?
ビロウドツリアブの長い口吻の先端は意外にもしなやかでした。
自由自在に曲がり、花の蜜腺を探り当てます。
たまに狙いを外して口吻が花弁に軽くぶつかったときに、口吻の先が2つ?に裂けるのが見えました。(@5:50、6:05)
吸蜜中に花に掛けた足をよく見ると、前脚と中脚を踏みしめていました。
口吻で蜜腺を探り当てられるように、雄しべを足で掻き分けているのかな?
今回の撮影は後半から一脚を使ってみました。
三脚よりも虫の動きに柔軟に対応できますし、かなりクローズアップしても手ブレが抑えられます。
山に咲いていたから単純にヤマザクラかと思ったのですけど、真面目に検討していません。
平地に咲くソメイヨシノより遅い開花です。
若葉はほとんど開いておらず、わずかに開いた若葉は緑色でした。
平地より少し遅れて里山のソメイヨシノが開花しただけのような気もしてきました。
ソメイヨシノの苗木を誰かが山道に植栽した可能性は?
野鳥がソメイヨシノの種子を散布したのかもしれません。
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