2020年7月中旬・午後15:35頃・くもり
河川敷の水際近くに咲いたイタドリの群落でシタキモモブトスカシバ(Melittia inouei)が訪花していました。
停空飛翔(ホバリング)しながら吸蜜しています。
よく似たシタキモモブトカシバとオオモモブトスカシバとの見分け方にいつも悩んでいたのですが、インターネット検索で遂に解決しました。
「青森の蝶たち::Web図鑑」というサイトによると、シタキモモブトスカシバは
オオモモブトスカシバ M. sangaica と長い間混同されていたが、1987年に分離された。2種は同所的に見られる地域が多いものの、本種の方が北方系(東北地方では本種のみ確認されている)。見事な生態写真を添えて、近縁二種の見分け方も詳細に記述されていました。
吸蜜ホバリングの高速羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:38〜)
風揺れに悩まされたものの、スーパースローで見るとあまり気にならなくなります。
1/8倍速のスーパースローでも羽ばたきが速過ぎて、翅脈は残像しか見えませんでした。
吸蜜中は前脚を花に掛けて停飛しています。
中脚が黒いので、やはりオオモモブトスカシバではなくシタキモモブトスカシバで良さそうです。
次の花へ飛んで向かう途中に、長い口吻を空中でクルクルと丸めてゼンマイのように収納していました。
また、次の花へ向かう際は後脚を後傾して空気抵抗を減らしていました。
『擬態:だましあいの進化論〈1〉昆虫の擬態』という本によると、
(オオモモブトスカシバやシタキモモブトスカシバは訪花の際に)前脚を花にかけて空中で翅をはげしく動かしてホバリングしながら、セイヨウミツバチやマルハナバチ類のように後脚を「く」の字に曲げて交互に動かして吸蜜しながら花から花へと移動していく。飛翔しながら後脚を「く」の字に曲げて交互に動かす行動は、ミツバチ類とまったく同じである。 (p68〜69より引用)
今回の個体は怪我でもしたのか、左側だけ毛深い後脚の末端が欠損していました。
そのため、停飛中に後脚を左右交互にくの字に曲げる動きが、右側しか動かしていないように見えます。
空気抵抗が左右非対称になってもホバリングなどの基本的な飛翔能力に影響は無さそうです。
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