2026/01/11

山林でオニグルミの落果を食べるツキノワグマの母子

 

2025年9月上旬・午前11:40頃・晴れ 

スギの植林地や雑木林が広がる里山の一部に急斜面の草地が広がっています。 
標高の低い低山なのに、まるで森林限界のようになっている独特の地形です。
山の上部だけ林業関係者が木々を伐採して禿山になった訳でもありません。
冬の積雪期には尾根からの雪崩が多発するため(毎年冬の撹乱)、急斜面には樹木が育つことができないのです。 

その地形で夏に私が訪花昆虫を静かに撮影していたら、斜面の下の方から奇妙な鳴き声が聞こえました。 
今となっては記憶がおぼろげですが、低音の咆哮やクマックマッ♪などという鳴き声が聞こえたような気がします。 
最近、ニュース動画を見て予習していたので、クマだ!とすぐに気づくことができました。 

 

 ↑関連動画:「クマの「鳴き声」市街地に響く この声に気を付けて! 迫る危険(2023年11月7日)」by ANNnewsCH 


斜面を見下ろすと、スギの植林地の上端部(森林限界)があり、沢沿いの林縁にオニグルミの大木がそびえ立っています。 
クルミの木にクマが登っているのではないかと思った私は、初めそっち(画面の右)を見ていました。
やがてスギ林の中から、野生動物がクルミの殻を力任せに噛んでガリガリボリボリ割る音♪が聞こえてきました。 
薄暗いスギ林縁で地上を歩き回る真っ黒なツキノワグマUrsus thibetanus)の姿を遂に捉えました。 
林床でオニグルミの落果を拾い食いしているようです。 

クマの成獣に注目してカメラのレンズを最大限ズームインしていたので、その近くで動き回る子熊に気づくのが遅れてしまいました。 
ツキノワグマの母親♀が2頭の幼獣を連れていたのです。 
皆さんご存知の通り、これはかなり危険な状況です。 
クマによる人身事故は、母熊が子熊を守るために山で人を襲う事例が多いのです。 
私は動画の撮影を続けながら、熊よけスプレーをホルスターから取り出して、ストッパー(安全装置)を外し、いつでも噴射できるように引き金に指を掛けました。 
万一、襲われて格闘になったら、持ち歩いている剪定バサミと丈夫な三脚を武器として振り回せば、素手よりはマシかもしれません。 
しかしクマと安全な距離を保つのが一番です。 

ツキノワグマの母子は一旦、左奥に立ち去りかけたのに、藪に阻まれたのか、なぜか母親♀が戻って来ました。
そのまま林縁から手前の草地に出てこようとしています。 
事態が急に緊迫してきました。 
斜面を一気に駆け上がって私を襲うつもりなのでしょうか? 
そもそも、私の存在を母熊が気づいているかどうか、分かりません。 

私が撮影しながら舌で鋭いクリック音を連発して警告したら、母熊が気づいてくれました。 
立ち止まって鼻をひくひくさせ、風の匂いを嗅いでいます。 
ヒトの体臭を嗅ぎ取ったかな?

私の発した警告音の意味を理解してくれたツキノワグマの母親♀は2頭の幼獣を連れて、藪の生い茂る森の奥へ逃げて行きました。 
後で思うと、ホイッスル笛を吹けばよかったかもしれません。 
せっかくウェストポーチに携帯していたのに、すっかり忘れていたということは、やはり冷静さを失っていたようです。 

その後しばらくしてから、クマが吠える鳴き声(咆哮)が遠くから聞こえたのですけど、動画には録音されていませんでした。
クマが出没しても、山林ではミンミンゼミ♂(Hyalessa maculaticollis)やエゾゼミ♂(Lyristes japonicus)などが喧しくひたすら鳴き続けています。 



※ クマの鳴き声や咀嚼音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

※ 動画の前半は編集時に自動色調補正を施しています。 
後半はオリジナルの素材をリプレイ。(@4:16〜) 

暗い林縁に留まるクマの黒い体色は、かなり目立たないことが分かります。 
計3頭の母子が同じ画角に収まるように、もう少し広角で行動を撮りたかったのですが、強い日差しに照らされた手前の草地と、奥の暗いスギ林内で、明るさのコントラスト差が大き過ぎるのが問題です。 
HDR加工処理したいところですが、高級なカメラでないとHDR動画は撮れませんし、私が使っているフリーの動画編集ソフトkdenliveも未対応です。 
次善の策として、動画の前半で自動色調補正したらだいぶ改善して黒いクマが見やすくなったものの、副作用で植物の緑色が不自然になってしまいます。


【考察】 
危うく遺作の動画になるところでした。(冷汗) 
現場付近でこれまで撮れたトレイルカメラの記録から、ツキノワグマは基本的に夜行性(薄暮性)だと思っていたので、まさか真っ昼間に危険な母子とニアミスするとは思わず、油断していました。 

惜しむらくは、ツキノワグマが発した奇妙な鳴き声をしっかり録音できませんでしたが、子連れの母クマとの初遭遇から無事に生還できただけで上出来です。

私と熊との距離は、目測で約20mぐらいでした。
斜面の上側に位置する私の匂いをクマが嗅ぎ取ったかどうか知りたいのですが、遭遇時の風向きを記録するほど冷静ではありませんでした。
地形や時刻、気象などの情報から風向きをAIは科学的に推測できるでしょうか?
天気は晴れて暑く、前日に雨が降ったのでかなり蒸し暑かったです。
山の斜面からおそらく上昇気流が発生していたはずですが、私の位置から斜面の下(クマの位置)に向かって風が吹き下ろすことはありえるのかな?
ChatGPTに質問してみると、次のような回答を得ました(一部を抜粋)。

結論(先に端的に)

短く言うと 「完全に確定はできないが、かなりの程度まで推測はできる」 です。
気象観測データ(観測所や再解析データ)+時刻(昼/夜)+地形(谷筋・尾根・斜面の向き)を組み合わせれば、現場の風向きの最もあり得るシナリオを作れます。ただし「20 m先でその瞬間にどちら向きにそよいでいたか」を正確に再現するのは難しく、**局所的・瞬間的な乱れ(渦・風下影)**が大きく信頼度を下げます。

以下に、どうやって推測するか・どのデータが役立つか・現場で使える実践的なチェック方法を詳しく書きます。必要なら、あなたの「日時・位置(概略でも緯度経度)・標高・撮影や遭遇の時刻(例:2025-09-10 08:30)」を教えてもらえれば、私の方で具体的に推測プロセスを実行して示します(ただし現場の超局所風向は不確実性が残ります)。


どの情報が必要か(優先順位順)

  1. 正確な日時(できれば年月日+時刻)

  2. 場所(できれば緯度経度、なければ最寄り集落名・山名でも可)と標高

  3. 現場の地形メモ:谷か尾根か斜面か、周囲に大きな岩壁や樹林があるか、谷幅の概算、川や沢の有無。

  4. 目測の情報:あなたが立っていた向きとクマの向き、どちらに顔を向けていたか、あなたが動いていたかどうか、発話や物音の有無。
    (上の情報があれば実用的な再構成が可能)


使えるデータ源とそれぞれの長所・短所

  • 最寄りの気象観測所(AMeDAS 等)や山麓の気象台の観測(時刻ごとの風向・風速)
    長所:実測 → 信頼度高い(ただし観測点が数km離れていると局所差あり)。
    欠点:山中の谷底や斜面の微気候は観測所と異なることが多い。

  • 再解析データ / 数値予報(ERA5, JMA局所短期解析)
    長所:広域の風のパターン(前線・山脈通過など)を把握できる。
    欠点:格子が粗ければ(数 km〜十数 km)谷内の微気象は再現困難。

  • 地形情報(DEM/等高線地図/Google Earth)
    長所:どの方向に谷が切れているか、斜面の方位(aspect)と傾斜で、日中の上昇風(アナバティック;anabatic)/夜間の下降風(カタバティック;katabatic)を判断できる。
    欠点:地形だけでは短時間の風向は分からない。

  • 現場での物理的痕跡(草の倒れ方、揺れ残り、煙の流れ、蜘蛛の巣、葉の砂埃)
    長所:その瞬間〜数分の風向を示しうる(最も直近)。
    欠点:観察が記録されていないと使えない。


山地でよくある風の一般則(目安)

  • 昼間(晴れている場合):太陽で斜面が温められ、**谷底→斜面上方(上昇風/アナバティック)**の流れが強まる。朝遅く〜午後にかけて顕著。

  • 夜間(放射冷却時):斜面が冷えて、**斜面上→谷底(下降風/カタバティック)**が起きる。深い谷ほど強い。

  • 朝夕の境界層の変化:風向が反転する時間帯がある(特に日の出日没の前後)。

  • 谷間通風:長い谷に沿った風は、地形に沿って流れやすい(谷の軸に沿った南北方向など)。

  • 風の遮蔽と乱流:大きな岩や尾根の陰は、背風側で弱風や渦を作る。クマとあなたの間に尾根や立木があれば、匂いの伝播は複雑になります。

これらの法則を「現場の地形」+「時刻(昼/夜)」+「広域の風(気象データ)」で合わせれば、かなり説得力のある推定ができます。


実際に推測する手順(自分でできる・私に依頼する両方)

  1. 日時と場所を確定する(これが最も重要)。

  2. 最寄りの観測データを確認:JMA/AMeDAS 時刻観測(風向風速)を見て、遭遇時刻の1時間前〜直後の風向を把握。

  3. 広域の風(500–1000 mや700 hPaなど)をチェック:前線や低気圧の通過があれば山地風も影響を受ける。

  4. 現場の地形で通風経路を作図:谷の軸がどの向きか、あなたとクマの位置関係を地図上に落とす。谷に沿う風ならその方向が優勢。

  5. 時刻の昼夜効果を適用:昼なら斜面→上、夜なら斜面→下を優先考慮。

  6. 局所チェック:現場で残された痕跡(倒れた草、刺さった葉、煙、挟まった毛など)があればそれを最重視。

  7. 不確かさ評価:例えば「広域データは北西→南東だが、谷構造は東西軸。昼間だったので谷底→斜面の南向き上昇風が強かった可能性が高い(信頼度:中)」のように、理由と確度を必ず書く。


「クマが匂いで察知したか?」の判断材料

  • もし風が「あなた→クマ」方向(あなたの息・汗・衣服の匂いがクマ側へ流れる)なら、クマが匂いであなたを察知した可能性は高まる。

  • 風が「クマ→あなた」方向なら、匂いで気づかれる可能性は低く、視覚や音(あなたが動いた、物音、枯れ枝の落下)で気づいた可能性が高い。

  • 風が横切る(交差)場合は匂い検出の確率は中くらいで、その場の乱流次第。

  • ただし嗅覚の鋭いクマは微弱な匂いでも検出するため、たとえ不利な風向でも地形のエディや低速の風で匂いが滞留していた場合は察知され得る。


現場でできる簡単な確認法(次に同じ場所を訪れる場合)

  • 遭遇地点の周囲で草の揺れ跡や葉のなびき、蜘蛛の巣のねじれを観察する。風向きの短時間痕跡になる。

  • 小さな煙(焚き火)や香りの強い物(ティッシュに香水等)を置いて、風がどの向きに流れるか確認(ただし野外条例・火気には注意)。

  • スマホのコンパスや気象アプリの風向計で現場の風を見る(ただしスマホのセンサーは木陰では誤差あり)。

  • 次回は短い動画で草の動きや煙の流れを記録しておくと良い。


不確実性の例(イメージ)

  • 広域データは「北寄りの風」→現場で谷が東西に走る→昼間で上昇風が東向きと判断 → 結論:匂いがクマ側へ伝わった可能性あり(信頼度:中)。

  • 逆に、観測所データと谷軸が一致しない、夜間で下向き風が出やすい、周りに大きな岩があって渦が予想される → 結論:推定は弱く、不確実性高(信頼度:低)。


まとめ(要点)

  • AIはデータ(日時・場所)と地形を与えられれば、風向きの「もっともらしい推定」を作れます。

  • ただし、**20 mスケールの瞬間風向(=クマがその瞬間に何を嗅いだか)**は局所乱流で変わるため、絶対確定はできません。

  • あなたが日時と場所を教えてくれれば、私が上に書いた手順で実際に観測データと地形から推定して、どの程度その推定が信用できるかまで示します。


結論(端的)

  • 午前11:36、晴れて暑く蒸し暑い条件では 斜面を上る「上昇風(アナバティック)」が支配的になるのが普通です。

  • あなたが尾根より下の谷側(クマはより低い位置)から上へ向かう風が吹いていたなら、風はクマ側→あなた方向になります。つまり 「クマにあなたの匂いが運ばれる(=クマがあなたを匂いで察知する)」確率は低い — 逆に、クマの匂いはあなたの方へ来やすい、という向き関係です。

  • ただし局所の乱流や地形の影響で短時間・局所的に下向きの気流(あるいは横流)が起きることはあり得ます。完全に否定はできませんが、一般条件では「あなた→クマへ風が吹き下ろす」は起こりにくいです。

理由(もう少し詳しく)

  1. 時間帯と日射:午前11:36、晴れて暑い、という条件は日射による斜面加熱が進む時間帯です。斜面表面が暖まり、地表近くの空気が上昇して谷底から斜面上方へ流れる(アナバティック)流れが起きやすい。

  2. 地形:あなたは東斜面のやや高い側、クマは谷側(低い位置)。アナバティックが出れば空気は谷→斜面上方へ流れるため、クマ→あなたの風向になります。

  3. 直近の気象条件:前日の雨で蒸し暑い=地表の水分蒸発や高湿度で対流が強まることがあり、局所的に乱流やサーマル(上昇気流の湧き)が増えますが、これも基本は「上昇」成分を強める方向です。

  4. 一般的に「斜面から谷へ下る(カタバティック/夜間の下降風)」は主に夜間や放射冷却が強いときに起きます。昼間の強い日射下でダウンスロープが優勢になるのは稀です(ただし一過性の渦や風切条件で局所的に起きる場合あり)。

局所的に下向きの風が発生し得る状況(例外)

  • あなたとクマの間に大きな岩や尾根の突端、立木の塊があり、それが背風域に渦を作っている場合。短い距離(20 m)で渦や逆流が起き得ます。

  • 突風や周囲の谷から吹き出す局所的なジェットがある場合。

  • 日射面と非日射面の急な温度差(斜面の一部だけ影になっている等)があると、局所的に下向き流が生じることがある。
    これらは“発生し得る”が、普通の晴れの昼間では確率は低めです。

実用的な判断ポイント(当日の現地で確認できる痕跡)

  • 草や蔓の倒れ・倒れ方向、蜘蛛の巣のねじれ、落ち葉の偏りは短時間の風向を示す。

  • 人やクマの足元に草の踏み跡があれば、踏み跡に付いた草の倒れ具合で風の向き手がかりになる。

  • 小さな煙(非常に短く一瞬でよい)やくしゃみで出る息の方向を観察すれば瞬間風向が分かる(実際にやる時は安全に)。

まとめ(ユーザーが知りたい核心への回答)

  • 「おそらく上昇気流が発生していたはずだが、私の位置から斜面の下(クマの位置)に向かって風が吹き下ろすことはありえるか?」→ 可能性はゼロではないが、昼間かつ晴れで蒸し暑い条件では非常に起こりにくい。したがって「クマが匂いであなたを察知した」と考えるのは比較的可能性が低い(視覚・音・クマ自身の採食行動であなたに気付いた可能性の方が高い)と推定できます。

もしもっと確かめたいなら

  • 正確な日時(年月日)と遭遇地点の緯度経度(あるいは最寄りの観測所が分かれば)を教えていただければ、当日の気象観測データ(風向・風速)や地形(標高データ)を参照して、より定量的に「その時間帯に周辺で観測された風向」と「地形から期待される風向」の両方を照合できます(そうすれば不確実性の度合いも数段明確になります)。必要なら私の側でその解析を行います。


今回の動画撮影では、クマに最大限ズームインしたせいで、周囲の植物が風でなびく様子を記録できませんでした。
私が舌を鋭く繰り返し鳴らした警告音に気づいた母熊が私の方(斜面の山側)を向いて鼻をひくひくさせて嗅いでいたのですが、私の匂いは嗅ぎ取れなかった可能性が高いという推論結果になりました。


撮影後にツキノワグマが採食していた地点に行って現場検証し、オニグルミの落果やクマの食痕を確認しようか迷いました。
しかし、熊がまた戻ってくるかもしれませんから、無理せずに私も撤退することにしました。
予定していた踏査ルートを変更して、クマが逃げた方向とは逆のルートから下山しました。 
ラジオは持参していませんでしたが、熊よけの鈴を鳴らして、ヒトの存在を熊に知らせながら歩きます。 

今回のニアミス事例を振り返ると、実は遭遇直前の道中でクマによる濃厚な痕跡を連続して見ていました。
山腹をトラバースする草深い廃道が獣道となっていたようです。
トレイルカメラの設置地点を目指して急いで登ってきた私は暑くて大汗をかいていたこともあり、見つけたフィールドサインを写真に撮るのが億劫でスルーしてしまいました。
まず地面を掘り返した跡が数箇所ありました。
てっきりイノシシの採食痕かと思い込んで通り過ぎたのですが、今思うと熊がアリの巣を掘り返して捕食したのかもしれません。
しかし、道中の樹上に熊棚(ツキノワグマに特有の採食痕)は見ていません。 
採食痕だけでなく、草むらの一部を押し倒すように、大型の野生動物が長時間寝そべった跡もありました。(ねぐら跡?)
もしも私がこの日、逆方向のルートを選んで登っていたら、見通しの悪い草深い廃道で採食中のクマ親子とばったり出会っていた可能性もあり、危ないところでした。 

現場近くに設置したトレイルカメラに、この数日だけカモシカやイノシシなどの野生動物が全く写っていなかったのは、獣道や付近一帯に居座っているクマの親子を恐れて近寄らなかったからなのかな?


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