前回の記事:▶ 深夜の林床で居眠りする野ネズミの謎【トレイルカメラ:暗視映像】
2022年11月上旬
河畔林にあるホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場rvに夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が訪れるシーンをまとめてみました。
画面の左が北で、林床の東と西にある黒々とした2カ所が溜め糞です。
画面から外の東に3mほど行くと川が南から北へ流れています。
実は野ネズミは夜の活動時間のほとんどを、溜め糞以外の場所で探索しています。
関連記事(同時期の撮影)▶ 秋の河畔林で夜な夜な餌を探し歩く野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】シーン1:11/5・午前3:14・(@0:00〜)
冒頭から、画面下部(西)の溜め糞に野ネズミが珍しく長居していました。
タヌキの糞塊に含まれる未消化の種子を採食しているのでしょうか?
その後は、ニセアカシアの根際の隙間などを徘徊したり木に登り降りしたりして餌を探し歩きます。
映像から種類を見分けられる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。
シーン2:11/6・午後23:22・(@0:37〜)
左のニセアカシア根際に登場した野ネズミが溜め糞(東)に訪れたものの、匂いを嗅いだだけで離れました。
野ネズミに不潔とかいう衛生観念は乏しいのかもしれませんが、素人目にはやはりタヌキの糞便臭を忌避しているように見えます。
新鮮な糞が追加されたかどうか、チェックしただけなのかもしれません。
他の場所で落ち葉をかき分けながら探餌行動を続けます。
シーン3:11/9・午後17:52・(@1:20〜)
左上のニセアカシア根際に登場。
溜め糞(東)にちょっと立ち寄ってから、今度は溜め糞(西)の端で長居しています。
未消化の種子を採食しているのか、それとも溜め糞場にあつまる虫を捕食しているのかもしれません。
ちょうど林床に転がっている落枝が地面から少し浮いている空間に野ネズミは隠れていて、上空のフクロウから見つかりにくいよう警戒しているようです。
シーン4:11/9・午後17:58・(@2:19〜)
5分後にも野ネズミが画面中央の林床に登場しました。
溜め糞(西)で長居しています。
タヌキの糞に含まれる未消化の種子を採食?
シーン5:11/9・午後18:55・(@3:05〜)
約1時間後に画面の下端に野ネズミが再登場。
溜め糞(西)が気になるのか、辺縁部を横切って調べています。
シーン6:11/9・午後23:55・(@3:54〜)
5時間後に画面中央の林床に登場。
溜め糞(西)で長居。
野ネズミはタヌキの溜め糞に来て何を食べているのでしょうか?
野ネズミの種類もろくに見分けられないのに個体識別なんて私には無理ですが、同一個体が通っていると仮定しましょう。
探餌徘徊の合間に適当な時間間隔を空けてタヌキの溜め糞に戻って来るということは、必ずしも未消化の種子が目当てではないのかもしれません。
タヌキの糞には未消化の種子が多数含まれていますから、野ネズミの目的が種子ならば、一度見つけたら食べ尽くすまでひたすら居座るなり、持ち去って貯食するなりするはずです。
個人的には、「溜め糞場に集まる虫を捕食している説」に傾きつつあります。
野ネズミを警戒して逃げてしまった(隠れた)虫がしばらくすると糞塊に戻って来て、それをまた野ネズミが捕食しに戻ってくるという、「イタチごっこ」になっていると想像すればしっくりきます。
暗視映像に虫は写っていませんが、ハエ成虫のような敏捷な虫ではなく、もっと動きの鈍い幼虫とかダンゴムシなどを想定しています。
林床を上から見下ろすアングルだと、どうしても野ネズミが溜め糞で採食している手元や口元がよく見えません。
カメラの設置位置をもっと下げて溜め糞に近づけたり、ローアングルで設置すれば決定的な証拠映像が撮れるかもしれません。
しかし、そうすると今度はタヌキがカメラを露骨に警戒して溜め糞場に近寄らなくなり、糞の供給が絶たれてしまうため、元も子もありません。
どうすりゃいいの?!
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