2012年6月下旬
雑木林の登山道にホンドタヌキの溜糞がありました。
この季節は分解者の活動が活発なためか溜糞は新鮮でなく、あまり原型を留めていません。
真っ黒な泥状に分解されつつあり、少々臭いです。
タヌキが食べた植物の種子などが混じっています。
この溜糞にオオセンチコガネ(Phelotrupes auratus)が2匹来ていました。
赤味を帯びた金属光沢が美しく、「掃き溜めに鶴」どころの騒ぎではありません。
映像中盤で出会った2匹がマウントしかけたので交尾するかと思いきや、すぐに別れ、その後は没交渉。
同種でも同性だったのかな? 交尾拒否?
交尾できなかった♂?は「穴があったら入りたい」といった風情で、溜糞の中に潜り込もうと必死です。
仰向けにひっくり返すとすぐに起き上がります。
腹面も絢爛豪華なメタリックの装いでした。
もう一匹の個体は対照的におっとりしています。
仰向けにひっくり返してもすぐには起き上がらず(擬死)、その後はひたすら溜糞の上で黙々と食事を続けています。
糞食する口器の動きを接写してみました。
前脚の腿節の前面に橙色の謎の付着物があります。
左右非対称なので、金属光沢の反射の悪戯ではなさそうです。
これは一体何なのか去年からずっと気になっています。
関連記事はこちら→「センチコガネの前脚に謎の付着物」
その後、謎が解けました。
この記事の【追記2】を参照して下さい。
フェロモンを分泌する毛束なのだそうです。
木の枝を使って溜糞をほじくり返してみたものの、他の糞虫は来ていませんでした。
【追記】
『ファーブル写真昆虫記5:ふんの玉をころがす虫』p47によると、
オオセンチコガネは、ふつう6月に卵をうみ、9月にあたらしい成虫が羽化します。
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