2021年8月下旬・午後15:35頃・晴れ
里山の尾根道沿いに咲いたホツツジの群落で多数のハラボソツリアブの仲間が訪花していました。
この組み合わせは初見です。
互いに逆向きに腹端の交尾器を結合したまま♀♂ペアで飛び回り、♀が花蜜を吸っています。
訪花中の♀♂ペアにズームインすると、触角全体が黒く、後脚の第1跗節の全体が黄色であることからニトベハラボソツリアブではなくスズキハラボソツリアブ(Systropus suzukii)と判明しました。
(跗節の脛節に繋がっている方から順に、第1跗節、第2跗節、…と呼びます。)
その一方で、逆向きの♂は休むことなくホバリング(停空飛翔)を続けています。
ホバリング中の♂は長い後脚を垂らした姿勢で飛びますが、前脚および中脚は揃えてボクサーがファイティングポーズするように構え、前方に向けていました。
ホバリングしている個体は、左右の複眼が中央で接していることから♂と分かります。
(♀の顔を正面から見たことがありません)
交尾ペアで体格を比べると、やや♀>♂。
♀の方が♂よりも脚や腹部がやや太い印象です。
たまには役割を交代して♂が吸蜜することはないのかどうか、知りたいところです。
♀が♂を常に引っ張って行く(リードする)「かかあ天下」というよりも、♀が産卵するまで浮気防止のために♂が自らの体を貞操帯として交尾を長引かせているのではないかと思います。(交尾後ガードの一種?)
しかし私はハラボソツリアブ類の産卵シーンを未だ見たことがありません。
ホツツジ訪花中の連結飛翔を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:40〜)
飛翔中は前翅だけでなく小さな平均棍も上下に激しく動かしていました。
連結飛翔中に主導権を握っているのは♀♂どちらなのでしょうか?
直列という点では同じでも、トンボの♀♂ペアの連結飛翔(尾繋がり)よりも逆向きに繋がったハラボソツリアブの♀♂ペアの方が、意思の疎通が困難なはずです。
吸蜜が終わりそうになった♀が腹端を上に軽く曲げて♂に合図してから飛び去るように見えました。
あるいは逆に、♂が「おい、そろそろ行くぞ」と♀を急かす結果、吸蜜を切り上げて飛び去っているのかな? (どうやったらこの二択の問題を解明できるでしょう?※)
複数ペアを撮影。
※【追記】
スズキハラボソツリアブ♀が単独で訪花する際も、吸蜜が終わりそうになったら腹端を上に軽く曲げてから飛び立っていました。
関連記事(4日後に同所で撮影)▶ ホツツジ訪花中のスズキハラボソツリアブ♀に交尾を挑む♂
この日は大小様々なハラボソツリアブをホツツジ群落で見かけました。
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