2021年8月下旬・午後14:30〜15:00頃・晴れ
ホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が山道に残した溜め糞でリサイクル活動する昆虫たちを微速度撮影してみました。
10倍速の早回し映像をご覧ください。
主に糞食性センチコガネ(Phelotrupes laevistriatus)の動向に注目しています。
関連記事(同日に撮影:等倍速映像)▶ タヌキの溜め糞を食べ下に潜り込むセンチコガネ新鮮な獣糞を食べるセンチコガネがやがて画面の左下に移動しました。
最後は糞と地面の間に潜り込みました。
センチコガネは地中に穴を掘って糞の欠片を埋め、そこに産卵するのだそうです。
糞塊がときどきグラグラと勝手に動くのは、下に潜り込んでいる糞虫の仕業です。
地殻変動しても、上にいる昆虫は無頓着でした。
キンバエやニクバエの仲間はもちろん獣糞に集まる常連です。
他には肉食性と思われるハネカクシも糞の内外を徘徊していました。
関連記事(同日に撮影)▶ タヌキの溜め糞で徘徊するアカバトガリオオズハネカクシ大谷剛『昆虫―大きくなれない擬態者たち』という本によると、
死体に集まるシデムシ、動物の糞に集まるセンチコガネ・マグソコガネ・ダイコクコガネなどの糞虫、両方にやってくるハネカクシやエンマムシなども、鞘翅があればこそ汚い粘つく汁の中を平気で動き回れるのである。鞘翅には多少粘つくものが付着しても飛ぶのに何の支障もない。(中略)死体・糞のニッチは甲虫の独壇場だ。(p80より引用)この点は納得ですけど、鞘翅を持たない蟻(種名不詳の微小な赤アリ)もタヌキの溜め糞に群がっていました。
アリは清潔好きだと思っていたので、かなり意外でした。
おそらく体表に強力な抗菌加工が施されているのでしょう。
微小な獲物を探しているのか、それとも糞に含まれる未消化の種子が目当てなのかな?
アリの巣穴の真上にタヌキがたまたま排便したのでアリが右往左往しているという訳ではありません。
というのも、タヌキの溜め糞は長期間同じ場所にあるからです。
こうして獣糞を日々食べて処理してくれる虫たちのおかげで、自然界は糞だらけにならずに済んでいるのです。(生物分解)
タヌキの溜め糞をめぐる生態系もなかなか面白いですね。
【追記】
溜め糞の横に生えていた白いキノコが気になり、写真に撮りました。
キノコについて何も知らないので、これから勉強しないといけません。
傘が完全に開いた様子を見れませんでした。
ナガエノスギタケだとしたら嬉しいのですが、どうでしょうか?
動物の排泄跡(溜め糞やトイレ)からアンモニアを分解して発生する、アンモニア菌というグループのキノコがいるそうです。
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