2021年7月中旬〜8月上旬
湿地帯の周囲の獣道を利用する野生動物の活動を知るためにトレイルカメラ(無人センサーカメラ)を設置したところ、最も多く登場した主役はホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)でした。
タヌキの動画をまとめてみました。(初出しのシーンも含まれます。)
1ヶ月以上調査した結果、計9日分の記録が撮れました。
ただし、トレイルカメラで24時間監視する設定にはしていないので、記録漏れがあるかもしれません。
夜行性のタヌキは明るい昼間に活動しないだろうと考え、バッテリーの消耗を抑えるために夕方から早朝までの時間帯に限定して監視するタイマーを設定しました。
撮れた映像を見ると、確かにタヌキはまだ明るい薄暮の頃から活動を始めるようです。
明るい真っ昼間にタヌキが活動することは絶対ないと言い切るには、24時間監視してみないといけません。
進行方向は、左から右へ(→)が計5回、逆の右から左(←)が計9回でした。
途中で引き返したのは両方にカウントしました。
大雨が降るとここは氾濫原となり、獣道も泥だらけになったり、すっかり水浸しになったり(冠水)します。
水が引くと道に残った泥が夏の日差しでカラカラに乾き、ひび割れた状態になります。
路上に残されたアメリカザリガニの死骸をタヌキが拾って持ち去ったのが、このトレイルカメラ調査の白眉でした。
関連記事▶ 水辺の獣道でアメリカザリガニの死骸を持ち去るホンドタヌキ【トレイルカメラ】カメラの前で立ち止まり、左後足で体を掻いてくれた役者のタヌキも愛嬌がありました。(@1:59)
タヌキの性別判定も個体識別もできていませんが、2頭のタヌキが続けざまに通りかかったシーンが2回撮れたので(7/15および8/4)、少なくとも2頭のペアが生息していると分かりました。
おそらく♀♂番 ではないかと予想しています。
しばらく調査を続けると、画面の左右をまっすぐ通る獣道(元々は舗装された遊歩道)とは別に、左斜め奥へとヨシ原の茂みに潜り込む別な獣道もありそうだと気づきました。
つまり現場は獣道のY字路になっていたのです。
どうやらタヌキはヨシ原の奥から頻繁に登場するようです。
後半にカメラのアングルを少し左に向けたところ、予想通り獣道の分岐点を捉えることが出来ました。(@2:46)
ちなみに、一度だけ登場したハクビシンも吉原(ヨシ原の奥)に通っていました。
関連記事▶ 水辺の獣道をハクビシンが深夜徘徊【トレイルカメラ:暗視映像】湿地帯の中を通る獣道に踏み込んで柳灌木林やヨシ原を掻き分けながらタヌキの足跡を追跡しようか、私は迷いました。
タヌキの生態についてよく知らないのですけど、子育て中の巣穴が近くにありそうです。
見てみたい気持ちもありつつ、不用意に踏み込んでタヌキの家族を怖がらせてしまって引っ越しされると元も子もありません。
繁殖期が終わるまで今季はこのまま見守ることにしました。
ところが台風の上陸で大雨が降り、川の増水で氾濫原が再び冠水してしまいました。
せっかく面白くなってきたのに、これを最後にタヌキは獣道に来なくなってしまいました。
泥の上の足跡も見かけなくなりました。
なんとなく、タヌキたちは平地から山に避難したまま帰らなくなったのではないかと予想しています。
やはり思いついたときに躊躇せずヨシ原の奥の足跡を辿ってみるべきだったと後悔しました。
シーン1:7/12 ←
シーン2:7/15 →→ 連続で2頭が登場。
シーン3:7/17 →←(ザリガニの拾い食いでUターン)。←。時間を空けて2回登場(別個体?)。
シーン4:7/19 ←
シーン5:7/21 ←
シーン6:7/26 ← 体掻き。ヨシ原奥の獣道入口に興味を示すも通り過ぎる(@2:04)。
シーン7:8/04 →→ 連続で2頭が登場。
シーン8:8/06 ←
シーン9:8/08 ←← 時間を空けて同一個体が戻って来た?別個体?
シリーズ完。
トレイルカメラの使い方にだいぶ慣れてきたので、次はまた別な場所に仕掛けてみることにします。
トレイルカメラの調査はすごく楽しいのですけど、使い捨て乾電池の消費が激しいので環境への負荷が心苦しくなります。
試しにメーカー推奨のアルカリ乾電池からニッケル水素充電池に変えてみたところ、電圧が低いのか動画で記録してくれなくなりました。
一時期、記録が全く途絶えたのはそのためです。
ソーラーパネルで給電するエコなオプションも用意されているものの、絶対誰にも見つからない僻地に設置しない限り、機材の盗難が心配で導入に踏み切れません。
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