2021年8月上旬・午後15:55頃・くもり
川沿いの堤防路の上空を2頭の夏型ベニシジミ(Lycaena phlaeas daimio)が激しく乱舞していました。
240-fpsのハイスピード動画で撮ってみましょう。
♀♂間の求愛飛翔なのか、それとも♂同士が縄張り争いで卍巴飛翔しているのか、不明です。
引きの映像では2頭の性別が外見で見分けられないからです。
一定の空間を占有し、侵入してくるライバルの♂を追飛などの行動で追い払い、やってくる♀と交尾しようとする「縄張り」行動を繁殖戦略に採用している種も知られている。ベニシジミの場合、幼虫の寄主植物であるギシギシやスイバの生育している湿潤な草地において、♂は静止場所一帯で排他的な占有行動を示し、通過する♀に交尾を試みている。 (渡辺守『チョウの生態「学」始末』より引用)
チョウが互いに相手の周りを飛び回る卍巴飛翔は、縄張り争いの一種と説明される。しかし鋭い牙も爪も持たないチョウがただ飛び回ることが、なぜ「闘争」になるのだろうか。試行錯誤の末に著者がたどり着いたのは、チョウにはライバルという認識がないために縄張り争いが成り立つという“常識外れ”な結論だった。(竹内剛『武器を持たないチョウの戦い方: ライバルの見えない世界で (新・動物記 2)』商品紹介より引用)
この本もすごい面白そうなのに積読状態なので、早く読まないといけません。
求愛飛翔だとすると、♀は♂が気に入らず、逃げ回り振り切ろうとしているのでしょうか?
しかし、わざわざエネルギーを激しく消耗してまで♀が高速で♂から逃げ回る必要はない気がします。
縄張りに侵入したライバル♂を追い払おうと、もう1頭の♂が追尾しているのかもしれません。
後半は互いにもつれ合うようにグルグルと激しい乱舞が始まりました。
素人目にはゼフィルス(ミドリシジミ類)で見られる卍巴飛翔と似ている気がします。
やがて2頭は再び追いかけっこモードに戻りました。
激しい空中戦?が終わり、2頭は別々に飛び去りました。
求愛飛翔だっだとしても、交尾には至らなかったことになります。
片方の個体を目で追うと土手の草むらに着地しました。
雑草の葉に止まって休息しています。
きっちり閉じた翅裏をしっかり撮るために回り込もうとしたら、手ブレした瞬間に飛び立ってしまいました。
すぐ近くの枯れ草の先端に止まり直し、翅を開いて日光浴を始めました。
腹部が細く、前翅頂が尖っていることから♂と分かりました。
周囲の草むらには♀が産卵するギシギシやスイバなどが生えていそうです。(未確認)
この♂個体はここで縄張りを張り、♀を待ち伏せしているのでしょう。
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